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説明を一通り終え、スッキリとした顔で机に頬杖をついて喋るマフィン君、かわいいなぁ。



なんて果音は思いつつ、質問をしたりしながらマフィンと話しているとスフレが部屋に入ってきた

片手に茶葉を持ち、そしてもう片方の肩には米俵を担ぐかのようにぐったりとした男性を抱えている。涼しい顔で。この中性的なお兄さん、力すごいらしい。スフレって空気がいっぱいのしゅわしゅわ柔らかい食べ物なんだけどなぁ…。なんて思っていると空いている椅子に担いで来た男性を座らせる


男性はスフレと同じくらいの身長をしているが、体格はスフレと違いガッシリとした人だった

顔は乗っ取られて目の焦点が合っていないが、スフレが中性的、マフィンが美少年、その二人と違い男性的な俗にいうイケメンだった



「遅いよースフレー」


「これでも早いほうだと思いますがね」


「なんかいったー?」


「いいえ。それより聖女様茶葉を持ってきましたのでこの者にマフィンと一緒に食べさせてもいいですか?」


「いいですよ!あ、あの、茶葉を私が淹れてもいいですか?」


「聖女様がしてくださるんですか!有り難いですお願いいたします!」



実は紅茶の淹れ方なんて大体いつも適当に作ってたんだけど、なんだかこのマフィンに合わせるなら味を濃い目に淹れたほうがいいと直感で思った果音は適温のお湯で大体の分数よりも長めに蒸らした紅茶を作った

マグカップに移した紅茶とお皿に移したマフィンをもって先程の椅子に座らせた男性に食べてもらう

目の焦点が合っていないような男性がゆっくり手を伸ばして食べ始める、その後いきなりばたりと机に突っ伏した


驚きながらも見つめているとゲホゲホと咳をし頭を上げた




「?!?!?! あれ、スフレ?マフィン?」


「わーい良かった成功だねー!」


「さすが聖女様です!!」


「よかった」




ほっと肩をなで下ろした

私が全部作ったわけではないけどそれで効くことが分かって良かった。


そんなことを果音思っていると先程目を覚ましたばかりの男性がじっとこっちを見つめていた、少し顔を赤らめながら。

元居た世界でもじっと見つめられることのなかった果音は顔を逸らしてスフレに喋ろうとするが男からの視線が気になってそれどころじゃない



「め…女神だ…。運命だああああああ!!!!」


じっと見つめていた男がいきなり言い出して果音はビクビクしている


「もう!運命だと思ってもいきなり女の子にそんなこと言わないの!」


「聖女様も怯えているでしょう!」


ビクビクしている果音を見かねてマフィンとスフレが男に怒る


「む、すまん、俺としたことが…反省している申し訳ない、俺の・・女神」


「え、あ、あの」


「俺は王の護衛をしているサブレだ!よろしくな俺の・・ 女神!」


「さっきから俺の俺のって!僕だって果音のこと狙ってるんだよ!」


「ヒェ…!」


サブレが自己紹介した後すぐに果音に抱き付きながら言うマフィン


負けずにスフレが一言


「私だって聖女様の事を好いております!」


「ヒェェ…!」


そんなこと男の人から言われたことがないし、抱き付かれたこともないし、何が起こってるの!なにこれなにこれ!ヒェェ…。

というか会って間もない人達に言われても説得力ないからー!元いた世界でもこんなこと言われたことないし、私美人じゃないし!いや、その前に落ち着け。そうだ落ち着こう!


深呼吸を何度かして心臓を落ち着かせた後にまだ俺が!僕が!私が!とギャンギャン言い合いをしている三人に果音が真っ赤な顔をして言った




「もう、いい加減にして、くださああああい!」



「どうしました!聖女様!!」


果音の叫び声が聞こえてすぐにメイドのタルトが駆けつけたのだった

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