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ひたすらに青ざめながら頭を下げているショートブレットを何とか落ち着かせ、今までの経緯を教えるとまたどんどんと青ざめていく




「…というわけで、どうして操られることにまでなかったのかを聞きたいのだが…」


「…僕にお菓子を送ってくださった方がいまして、それが、そのあまりにも美味しそうなものだったのでそのまま食べた記憶があります。それから先は、覚えていません…」




未だに青い顔のまま震える声で答えるショートブレット




「送ったものの名前は?」


「…い、言えません。」


「何故だ?誰がこんなことを考えているんだ…?」




そこからは何度聞いても頭を横に振るばかりで答えてくれなくなってしまった。


仕方なくため息をしたオペラがサブレにも聞く




「お前はどうして意識を失った?」


「昨日も報告したが、見回りをしているときにいい匂いがしたと思ったらそのまま記憶がない。」


「匂い…ですか?」


「ん?どうした俺の女神?」


「マフィンくんとスフレさんに聞いた話だとここの人たちは匂いが分からないって」


「そうだな。…だから不思議なんだ。確かに匂いが分からない。作ってる最中の匂いは。」


「作ってる最中?」


「出来上がって食するときは匂いも味もわかるんです。申し訳ありません、説明が下手でした。」


「なるほど。今回は食べてもないのに匂いが分かったってことなんですね。どんな匂いだったんですか?」


「それが不思議な匂いだったんだ。俺は菓子が好きだからよく食うが嗅いだことのない甘ったるい香りだったぞ。」




不思議な話を聞いてますます頭がついていかない果音がうーんと悩んでいると、オペラが提案をした




「今日の聖女が作ったこの菓子を隔離してある者たちに食べさせてもよいか?できれば小さい菓子でよいから多めに作ってもらえないか?」


「大丈夫ですよ!今からでも作りますがどうしますか?」


「作ってもらいたいところだが…マフィンとタルトを見ろ。しない方がいいと思う」




ちらりと二人を見るとじっとりと私を見ていた


頭を傾げてみるとタルトが休むことも必要ですよというので、作るのは明日にすることにした


ショートブレットさんは、また誰かに接触されることも考えられるので、隔離されることとなった。


隔離と言っても鉄格子の部屋という事でもなく、本人の部屋に見張りが付く程度だそうだ












夕食を食べ終わり、一息ついた頃部屋に訪問者が来た。私が部屋に戻る前に呼んでおいたマフィンだった。



「呼ばれたから来たよ、果音!」


「…ねぇマフィン君」


「マフィンって呼んでよ、どうしたの?」


「今日のオペラさんが『誰がこんなことを考えているんだ…』って言ってたけど、もしかして知らないの?」


「…。」


「マフィン君、なんでマフィン君は相手を知ってるの」


「あーあ。ばれちゃった。口が滑っちゃったなぁー反省反省!…相手は誰だか知ってるよ。だけど今は言えないんだ。それが約束だから。ごめんね」


「マフィン君は敵?」


「どう思う?」


「敵ではないと思う。…思いたい。」


「果音がそう感じてくれてるんだったら、そのままでいて欲しいなぁ。」


「細かいことは聞かないようにするから、これからもこの世界の事、教えてくれる?」


「…果音がお望みなら。」


「明日も、よろしくね。」






マフィンは何も言わず果音の部屋から出て行った。


果音は頭がズキズキとしてきて、自分のベットに思わず横たわる




「私には、お菓子作る以外何もできないんだから…」


小さくぼやくと、頭の痛みから逃げるため目をつぶって睡魔に身を預ける事にした。






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