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抹消
もしも…し
なんだ
「もしもーし!」
うわっ
僕は自分を呼ぶであろう声で目覚めた。
「おはよう、痛いとことかない?」
「はい」
ここはどこだっけ、頭がぼんやりして思い出せない。
「あの、ここは」
「ここは、魔法関係専門の探偵所だよ」
探偵所?
「頭がぼんやりしててもおかしくないよ、だってきみ一週間はねてたから」
一週間だって、そんなに?
「そして、ようこそ探偵事務所サークルへ」
なんだって、まだ働くって決めてないのに
それにすごく胡散臭い
「胡散臭いって心外だなぁ、うちはれっきとした会社だよ」
あれ?口に出したっけ?
「口に出してはないよ」
あれ?また
「これは私の能力【心体透過】」
「心を読むんですか?」
「そうよ、ちなみにきみの選択肢にNoはないから」
「どうゆうことですか?」
「私たちは国の命令で動く特殊組織、だから個人情報は邪魔なの」
「それってつまり?」
「きみの情報はこの国から抹消されたの」
なんだよそれ
「私は深山さとり、これからよろしくね」