『紫陽花は綺麗に咲くけれど』
あじさいを漢字で書くと紫陽花。
紫色が入っているけど、実際は
白➜水色➜青➜紫➜赤➜ピンクと
変化していき、やがて枯れます。
どれも美しいけど紫が花の盛りなのでしょう。
紫陽花は咲く
色鮮やかに
華やかに
梅雨を一年待ち侘びて
咲き誇る紫陽花が
こんなにも美しいものなのか
雨上がりの軒先に
家族のように咲く花の
微笑ましさはあるけれど
それでも足りないものがある
道行く親子が足止めて
幼い我が子を抱き上げる
親は笑顔でいるけれど
子供はどうやら浮かぬ顔
花をしきりに覗きつつ
いないいないと探してる
紫陽花は綺麗に咲くけれど
それでも足りないものがある
幼いあの子も知っている
私もあの子も探してる
可愛く歩くかたつむり
いつから見なくなったのか
私が子供の時分には
たくさん見掛けた
かたつむり
隠れてないで
出ておいで
あの子も私も待っている
紫陽花は綺麗に咲くけれど
友達いない寂しさが
哀しく映る雨の下
かたつむりはどこ行った
隠れてないで出ておいで
笑顔を届けに出ておいで
<了>
夏の蛍、秋のミノムシやとんぼと同様、
梅雨のかたつむりと季節の風物詩で
私達に季節の到来を知らせてくれた
彼らが次々と姿を消している現代に
本当にいいのだろうかと複雑な心境です。
便利な世の中もいいけれど、
情感豊かな風景や自然も残して欲しいし、
今一度再生して欲しいと思います。