◇あとがき◇
小説家になろう読者の皆様、はじめまして。
GA文庫の方から続けて読んで下さっている皆様、WEBの方までお付き合い頂き、ありがとうございます。
頑張って表紙っぽいものを描いてみたら、『メリーさん……じゅうなな歳なの♪』って感じになってしまい、もっと幼女の体型を勉強しなければと、微妙に危ない決意を固めた夏希のたねです。
まず、この度は私の稚拙な作品を読んで頂き、ありがとうございました。
暗い話だからボツになったけれど、このままお蔵入りは勿体ないな――という事で、WEB上で発表する事になったリサイクル品ですが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
ちなみに、これを書いていたから三巻の発売が延期した訳ではないですよ。二巻発売の時点で、三巻の原稿は出来上がっていましたから。
でも、発売が延期されていなかったら、これの同時発表は無理だったろうなと思うと、良かったのか悪かったのか……。
ともあれ、和樹とメリーさんの出会いを書いた、外伝と相成りました。
さて、今回はページ制限もないので、あれこれと裏話を書いていこうかと思います。
何処かでも言いましたが、メリーさんは元々『うしろのメリーさん』という作品の、メインヒロインとしてデザインされたキャラでした。
実際に二割くらい書いた時点で、その作品はボツにしてしまったのですが、その理由は「メインヒロインの顔を見られないって、ラノベとして致命的じゃね?」という事に、遅まきながら気付いたためでした。
(プロットを上げた時点で気付け、というツッコミはなしでお願いします)
しかし、このキャラクターが気に入っていて、何とか生かせないものか……と悩んだ末に、一つの答えに辿り着いたのです。
「メインが駄目なら、サブヒロインにすればいいじゃない!」と。
それが切っ掛けで書かれたのが、投稿作である『妖怪恋戦』でした。
これが度重なる大改稿を得て、現在の『あやかしマニアックス!』となる訳ですが、投稿作から完成稿までの間に、数多のキャラが生まれては消えていくなか、ただ一人だけ生き残ったヒロインが居ます。
もうお分かりですね。我らがストーカー幼女・メリーさんです。
主人公の和樹ですら、性格や能力が変わるなか、彼女だけが唯一、全く変わる事なく存在し続けたのです。
(ちなみに、当初の和樹はもっとウジウジしていて、仙気もない完全な無能力者でした)
といいますか、そもそも投稿作が受賞したのさえ「メインヒロインは可愛くないけど、メリーさんはイイよね」という理由が七割(当社比)を占めています。
つまり、メリーさんが居なければ、『あやかしマニアックス!』という変態妖怪物語は、生まれてこなかったのですよ!
だから、真ヒロインとか言っていた訳なのですね。
さて、このメリーさんですが、本家イラストレーター・犬洞あんさんのモノからして、顔(正確には目)を描いた絵が発表されていないのはお気付きでしょうか。
実はこれ、私のせいでして――ごめんなさい、自分でも後悔しているので、物を投げるのは止めて下さい。
いや、ちゃんと理由はあってですね、主人公である和樹がその姿を見た事がないのだから、明確に姿を描写しない方が、読者の皆様も同じ気分を味わえて良いかな、と思ったのですよ。
その無駄な拘りが、一番美味しい所をイラスト化出来ないという、余計な縛りを生む事に……。
ただし、目までキチンと描いたメリーさんの完全な絵も、発表されていないだけで、存在はしています。
犬洞さんがキャラデザとして描いたモノで、他にもイラスト化されていない払間火乃華、絡屋咲八、天狗の少年等々、デザインだけなら存在しているのです。
特に火乃華などはイメージ通りで、胸の谷間が眩しく素敵なので、何かの機会に公開出来たら良いのですが……。
――とか書いていたら、3巻で火乃華と咲八は出ていましたね。やったあ!
あとはメリーさんだけですが、こちらもこうご期待という事で。
さて、与太話はこのくらいにして、そろそろ恒例の謝辞を。
全文掲載して完結するならば、出版物の外伝であっても構わないと、掲載の許可を下さった小説家になろう運営様。
これまた、WEB掲載する事を許して下さった担当編集K様。
そして、本編と違うこんな暗い話を読んで下さった、読者の皆様に心からの感謝を述べて、締めの言葉に代えさせて頂きます。
追記・「メリーさんを見ちゃ駄目なら、目隠しプレイはOK?」という質問には、ノーコメントを貫かせて頂きます。