2/6
吉井慶太(19)
俺の家は、他人から見れば「幸せ」「裕福」「金持ち」
こんな感じだと思う。
実際、俺は「幸せ」とは思ってない・・
だが、不幸とも思わない。
人生がつまらない・・
一生このまま生きていくのだと思うと
嫌でたまらなかった。
だから俺は黙って家を出た。
治安のいい街ではなかったから、世間一般で言う悪い仲間って奴も沢山いた。
その中で1番仲が良かったのが峯岸拓真。
こいつは、情に熱く涙もろくていい奴で俺は好きだった。
俺が悩んでいたり、落ち込んでいたりすると一番に気付いてくれるそんな奴だった。
家を出てすぐ拓真に電話し、簡単に家出の説明をしたら
しばらく拓真の家に住めることになった。
拓真は中学の頃に両親を亡くしてから
ずっと一人暮らしだった。
そんな拓真の家は ’不良の溜まり場’そんな感じだった。
拓真の家に住み一ヶ月近く経った頃だった・・
「腹減ったなぁー」
「やばいな、俺もうお金尽きた」
「稼げるバイトねぇかなー」
「遊んでお金もらえりゃいいのに」
そんなくだらない会話から拓真と俺は
夜の世界で働くことになった。