第一章③~テンシノユメトカコ~
第九話です。
今回は天使について自己解釈があると思いますので、
よろしくお願いします。
異世界初日で天使たちに襲われた俺達は何とか退けられたが、
何でだろう?
朝起きると天使が三人俺の目の前で跪いて、
「ご主人様ぁ…… 」
とか言ってくるんですけど……
そして、悪魔達は微笑んでるしお前等一体何しやがった!?
とりあえず現実という名の悪夢から逃避するとして
今日は良い天気だな~
こんなときはお弁当でも持ってピクニックでも行きたい気分だな~
「カイ様!!カイ様!!早く此方へ戻ってきて下さい!! 」
あー、あー俺は何も聞こえません。俺の相棒が何か言っていること何て何も聞こえませんよ。
「良い加減に怒りますよっ!! 」
頬を膨らませた状態で怒ると言っても逆に可愛いな~
しかし、〝彼女は悪魔〟である。これだけは心に留めておかなければならない。
なぜなら一歩間違えると………
「もうっ!!早く戻ってきて下さいっ!! 」
よく見る痺れを切らした彼女が彼氏を叩く光景だ。
普通なら「ポコッ」という可愛い効果音が付く筈なのだが、
実際は……
「ぐはっ」
最早凶器と成っている。
お前等今まで俺が羨ましいと思った奴出て来い……
今なら変わってやるから
「ドゴォォォン」という凄まじい効果音と共に飛ばされた俺は数メートル飛び、
地面に落ちる寸前で間一髪の所で昨日の銀髪天使に受け止めてもらった。
「……あ、あれ痛くないな。ああ、お前が受け止めてくれたのか?ありがとう」
「い、いえっ!!ご主人様のお役に立てれば光栄ですっ!! 」
キャラがコイツも変わったか?
何故か俺の周りはキャラが変わってしまうよな……
気のせいか?
詳しいことは悪魔達に聞くとして、
現状をとりあえずは聞かないとな………
「おい、ミナツ今のこの状況はどういうことなんだ? 」
「どうって言われても私もあまりわかってないわよ。私よりも当の本人達に聞いた方が早いんじゃないの? 」
「それもそうだよな……、じゃあお前等一体これはどういうことなんだ? 」
ミナツはあまり知らないようなので、当の本人の天使達に聞くことにした。
すると、昨日俺が倒した天使が答えてくれた。
「……私達が貴方様をご主人様と認めた、ただそれだけです」
「掻い摘みすぎだろっ!もうちょっと詳しく説明を宜しく」
俺がそれを聞くと天使たちはいきなり震えだした。
俺なんか聞いたらいけない事聞いたか?
「……っひく」
泣いたーーーーー!!!!
何この「お前何泣かしてんの」的な空気?
俺は無実なんだ!!!!!
それでも俺はやってない!!
そしてネタが古いwwww
「あー、分かったよ……。詳しいことは聞かないから、泣き止めよ…な? 」
「……すみません。少々取り乱してしまって……、いえちゃんと話します。
これはちゃんと聞いていて欲しいんです。私達の〝過去〟という物を……… 」
そして彼女は語りだした。
己の忌々しい過去を――――
* *
私は数千年前一度死に、天使の下位である〝大天使〟の〝ガブリエル〟として生まれ変わった。
私は天使としての新たな生活に希望を抱いていた
しかし、私を待っていたのは地獄の日々だった……。
終わらぬ毎日の〝熾天使〟や他の天使からの拷問の日々。
天使は〝基本的に傷はしばらくすれば回復する〟ので死にたいのに死ねないそんな日々だった。
そんなあるとき私は三人の他の〝大天使〟達に出会った。
それが〝ミカエル〟、〝ラファエル〟、〝ウリエル〟だった。
彼女達は美しい金髪の持ち主で、
顔も正に人形の様な端正なものだった。
それに対して私は数々の拷問のせいで最初は美しかった金髪も今は色素が抜け落ち真っ白なものへとなってしまっていた。
そして拷問によって傷だらけになってしまった身体を隠すように分厚い鎧を着せられた。
そんな私に対しても彼女等は優しく接してくれた。
しかし、ある日事件は起こった。
私と〝ミカエル〟と〝ウリエル〟は〝熾天使〟である〝セラフィム〟から呼び出された。
そして一人の少年を殺して来いと言われた。
曰くその少年は悪魔達から好かれる体質であり、現在悪魔の最上位である〝七つの大罪〟の七体と契約している、
そしてもとは派閥によって分裂していた悪魔達が、段々と一つのグループとして活動し始めていることを恐れているので、
そうなる前にその少年を殺せということらしい。
しかし、私達下位の天使では勝てる筈が無い。
そこで計画として命令されたのが、悪魔とその少年を分断することだった。
明らかに無謀と思われる作戦でも私達は首を横へは振れなかった、
いや、振らなかった。
これで死ねるかもしれないという安堵感があったからかもしれない。
その後、私達は〝ラファエル〟の下へ向かった。
彼女も私達と同じ世界へ行くらしいので、とりあえず安心した。
そして、現在に至る――――――
* *
あまりにも理不尽すぎる―――――、
それが彼女の話を聞いて第一に思ったことだ。
天使というものにもこれ程にも差があるものだろうか?
俺は未だに信じられない部分が多すぎる
今まで俺が知っていた知識と全く異なっていたからだ、
これならよっぽど〝天使〟の方が〝悪魔〟みたいじゃないか……
他の皆を見ても、どう言って良いのか分からないと言った表情だった。
そのままその日はそのような空気が続いた――――――
感想等ありましたら宜しくお願いします。
次回の更新は少し遅くなるかもしれません。
基本的には二日に一度は更新しようと思っていますので、
よろしくお願いします。