序章⑥~サイゴノヨルトイセカイ~
第六話です。
次回から異世界へ行きます。
勿論主人公はチート仕様です。
とりあえずもう一人の少女に尋問と言う名の拷問をした結果、ある程度の事柄は理解できた。
俺が十年前出会って契約したのは悪魔の中でも最上位に入る〝七つの大罪〟の七体だった。
十年経って神達が俺を殺そうとしていることをその中の一体が察知し、俺を守りに来た。
そのためには神達からの監視から逃れるために異世界へ行かなければならないらしい。
「へ?異世界? 」
「うん、異世界」
「異世界と言うと、異なる世界と漢字で書くやつ? 」
「何故言い直したか分からないんだけど、それで合っているよ」
先程からこのような会話がループしているわけですが、異世界って…
段々現実離れしてきている俺の人生。
そろそろ「エターナルブリザード!! 」なんて厨二的な力が使えそうな気がする。
今思ったら異世界に行ったら、俺の遊びが出来なくなるじゃないか!!
そんなこと認めてなるものか!!
ちなみに俺は決してマッドサイエンティストではございません。
「異世界へ行くことはいいとして、その後はどうするんだ? 」
「その後って? 」
「例えば、向こうと此方の言語が違ったり、あちらでの住居や資金の確保は一体どうするんだ? 」
これが一番重要なのだ
異世界で暮らしていくことについて最も重要なことは、主人公補正でも厨二的な能力でもない。
必要なのはズバリ金と家、それさえあれば何とか生きていける……ハズ。
「そこは心配しなくてもいいよ。私達が行く世界は共通言語は日本語で設定していて、貨幣も今使っているものが使えるから」
「で、その世界の時代的なものはいつだ? 」
「うん、勿論定番として中世ヨーロッパだけど」
ナニそれ?世界観の「セ」の字も無い設定……
誰かこの人止めようぜ
あ、人じゃなくて悪魔だった……
そんなことはどうでもいい!
今言うべきことはそんなことではないだろう!
頼るべき相棒であるカノンも何か呆然と口開けたままだし…
「とりあえず一言いいか? 」
「うん、いいけど何? 」
「とりあえず一言言わせて貰うが……そんな都合がいい異世界があるわけないd「実際にあるから私はこう言ってるの」ってホントにあるのかよ!! 」
「出発するのは明日だから今のうちにもって行くものまとめといてね♪それじゃあ、じゃあねー」
と言って少女は消えていった。
そういえば名前を聞いてなったな
あの時もそういえば名前は聞いてなかったしな
まあ、いずれ分かるだろう
とりあえずは、
「カノン、起きろーー!! 」
放心状態のコイツをどうにかしないと
「ひゃっ、ひゃい!……うう、舌噛みました」
何故だろうか?
最初の頃と比べるとキャラが正反対な気がする。
オマケに『天然』と言う属性がプラスされた気がする…
「聞いたと思うけど、明日から異世界へ行くので、準備しといて。ちなみに俺は今から色々と準備があるから、先に風呂に入ったりしといて」
「分かりました!カイ様」
カノンが風呂場へ行くことを確認して、準備を始める。
まず自室へ行き、パソコンと銃器などを詰め込み、それでとりあえずアタッシュケース十個分くらい出来た。
他には普段着と俺の貯金である数十万円を同じく詰め込んだ。
また、アタッシュケースに入りきれない物は分解して入れて、何とか収納できた。
問題は俺の火薬シリーズだ。
基本的に銃は火薬を爆発させてその力で弾を飛ばすものだから、
火薬の調合一つで弾の威力も違ってくる。
そのために全部持って行きたいのだが、
如何せん量が多すぎるので、
レシピだけ持って、他は諦める事にした。
「あーあ、俺の五年間の努力の結晶の塊が持っていかれないk「それなら大丈夫ですよ」っ!!カノンか、いたなら一声かけてくれよ……」
「すみません…、しかし私達を誰だと思っているんですか?いくら私でも魔法の一つや二つは普通に使えますよ」
そういえばコイツも悪魔だったな。
それなら何か四次元空間的な所に収納できても不思議ではないか……
「それなら大丈夫か、あとまずお前は服を着ろ!!バスタオル巻いたままで出てくるな!! 」
「しょうがないですね、これならカイ様をメロメロに出来るって書いてあったんですけどね…… 」
「……お前は何処でそんな知識を手に入れた? 」
「確かこの前カイ様のお父様のお部屋を掃除している時にそんなことが書いてある雑誌を見つけたんでそれを読ませてもらいました」
あんのエロ親父が!!
帰ってきたら殺してやろうか!!
あっ、どうせ〝此方の世界〟には帰ってこないから別にいいか…
「カノン… 」
「はい、なんでしょうかカイ様? 」
「とりあえずその本の内容は忘れろ、そしてそれ系統の本は全て燃やして来い…… 」
「し、しかし… 」
「分かった………よね? 」
「分かりましたっ!!今すぐ燃やしてきますっ!! 」
「よし、行け」
「はいっっ!!! 」
そう言って走っていくカノン。
とりあえず親父よ、お前のコレクションは俺が処分しといてやるよ!!
礼は要らないぜ
逆に感謝して欲しいくらいだ。
その後、最後の持ち物検査をして俺は眠りについた………
感想等あれば宜しくお願いします。