序章⑤~シンジツトシット~
五話目となります。
今回はカノン視点と主人公視点となります。
多分次の次の回ぐらいで異世界へ行くと思います。
どうもカノンです。
先程からカイ様を探しているんですが見つかりません。
何処にいったんでしょうか?
しかもさっき凄い量の魔力反応がこの家の地下であったのですがカイ様大丈夫でしょうか?
心配なので様子を見に行って見ましょう。
* *
現在の状況ひじょーに危ないです。
何せカイ様を抱えた二人組みの男女と鉢合わせしてしまったからです。
しかも、相手はおそらく悪魔の最上位の〝七つの大罪〟の中の二体、
相手としては十分すぎる。
ただでさえ一騎当千の力を誇る悪魔が二体もいるなんて……
「あれ?貴方は誰かしら?この家にはカイ君以外居ない筈だけど」
血のような真紅の髪をした少女が殺気を込めながら此方を睨んでいる。
どうやら向こうは此方が悪魔だということに気付いてない筈
それなら……
「え~と、私は貴方達が抱えている魁君の従姉妹なんですよ。最近両親の事情で此方に来t「既にお前が悪魔だということは知っているんだ、正直に話せ」っ!!知ってたんですか? 」
今まで喋らなかった漆黒の髪の青年が話してくる。
向こうは何でもお見通しということですか…
「無論だ。コイツは騙せても、我は魔力を隠しただけでは騙せない。もう一度言う、正直に話せ」
「はい……、私は貴方達と同じそこのカイ様と"契約した者"です」
「成る程、我等と同じ…ということか。では、主が貴方に支払った代償は何だ?お前ほどの魔力の持ち主なら代償も大きいと思うが」
少女に対して此方の青年は魔力探知に長けている悪魔のようです。
おそらくは〝サタン〟か〝ルシファー〟辺りでしょうか?
「言いようによっては貴方を殺すわよ」
これまでにない殺気込めて言ってくる真紅の髪の少女。
心配しなくてもこの状況で嘘を吐くなんて命知らずなことは私には出来ません。
それに先程から貴方達の魔力で意識が遠のきそうなんですけど……
「……私の代償は〝契約主から名前を貰うこと〟です」
「名前を貰うこと?まさかお前は〝イレギュラー〟か!! 」
「いれぎゅらー?? 」
「……〝レヴィアタン〟、お前はもう少し勉強しろ」
冷静に突っ込む青年。
成る程、真紅の髪の少女は"嫉妬"を司る〝レヴィアタン〟ですか…
確か神が天地創造の5日目に造りだした存在だったかな?
「う、うるさいっ!!カイ君を守るためにはそんなことは要らないの!!それに頭脳面では貴方が専門分野でしょ、〝サタン〟」
サタンですか……
もう開いた口が塞がりませんよ、何この面子……
地球滅ぼせそうな勢いなんですけど
「まあ、確かにそうだが……。ところでどうするのだ、お前は此方の世界に留まるのか? 」
「当たり前でしょ!!こんな誰ともわからない女と一つ屋根の下でカイ君と暮らさせる分けないでしょ!! 」
うう、ライバルが一人増えた気がします…
それにしても酷くないですか?私の扱い……
「そうか、では一度我は〝向こう〟へ戻る。色々と手続きがあるからな」
「他の奴等にはこの事は伝えないでね」
「ホントお前は他の奴等の事が嫌いだな。まあ分かっているさ、そんなことしてたら全員集合するからな」
そう言って青年は消え去った。
後に残ったのは私と意識を失ったカイ様と〝レヴィアタン〟様であった……
* *
あれ?どうして俺はこんなとこで寝ているんだろうか?
さっきまで地下室にいた筈なんだけど今は自分のベッドの上にいる。
確か地下室で〝アイツ等〟に会って、それから……
「くっ!! 」
思い出そうとすると激しい頭の痛みに襲われる。
とりあえず俺はベッドから降りて、居間の方へ向かうことにした。
我が家は三階建てのためか部屋数が無駄に多い。
十六年間過ごしてきた俺でも時々どれがどの部屋が迷うことある。
まさに〝諸刃の剣〟だ
使い方が違う気がするのはご愛嬌で
居間へ行くとそこにはカノンともう一人少女がいた。
「カイ様!!大丈夫ですか? 」
「カイ君!!心配したんだからね、本当に…… 」
そう言って抱き付いて来る二人の少女。
両手に花と言うことはこの事か。
否、修羅場の間違いである。
最初はいいのだが、数分も経つと……
「ちょっと、貴方カイ君から離れてくれない?カイ君迷惑しているんだけど」
「それは貴方の方じゃないんですか?さっきから厚かましくベタベタと」
ちょっと仲良くしようよ二人とも……
こいつ等が喧嘩なんかしたら俺のマイハウスが吹っ飛んでしまう。
ちなみに俺の家はダイ○ハウスです。
補足説明は要らなかった気がする
「早く離れなさいよ! 」
「いーやーでーす!! 」
段々ヒートアップしていってないか?
それと両方から引っ張るのはやめて欲しい。
お前等一応〝悪魔〟だし
マジで千切れます
と、思ってもなかなか離れないし…
あー、キレていいかな?
……いいよね、ここまで我慢したんだから別にいいか
と言うことで、
「お前等………良い加減にしろーーーーーー!!!! 」
堪忍袋の緒が切れましたよ。
いくら悪魔相手でも怒るときは怒るからな
俺の怒声が効いたのか二人はやっと離れてくれた。
とりあえず今からは〝尋問〟と言う名の〝拷問〟でもしようか……
とりあえず段々カノンのキャラが変わってきていると思うこの頃。
その部分は魁と契約して性格が変わったと思ってもらえると恐縮です。
感想等よろしくお願いします。