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   第23話 龍神帝

     第23話 龍神帝


「おーいヴィオレスいるかー?」


 とある日俺は先日戦ったヴィオレスの部屋を訪れていた。彼女の正体は龍の中でも最強の龍神種の頂点に立つ龍神帝なのだ。まあ今は配下になってくれたのだが、領内の空を飛んだり城の自室ででくつろいでいたりと自由にしている。


「おぉ、主かなんじゃ何か用か?」


「あぁ、実はな最近ダジャス砂漠の方で大規模な爆発が起きてな、まだ推測の域をでないが王国の研究者が言うには烏川遊の仕業じゃないかと言われている。その爆発が起きる少し前にマントを羽織った男がダジャスの方へ向かうのを見たって人が何人かいたんだ」



「なるほどのう、中々きな臭い話じゃな。複数人ならともかく単独でダジャス砂漠に向かうなんて自殺に等しいからの」


「それでだ、なにか感じなかったか?怪しい気配とか」


「うむ、距離がかなりあるからうっすらとじゃが勇者と魔王が入り混じったような不思議な気配を感じたのぉ」


 おそらくそいつが神の言っていた奴なのだろう、ずっと放置するわけにはいかないがかと言ってここで動くわけにもいかないここは一旦様子を見るしかないな。


「主よ、面倒な連中が向かってきてるようじゃぞ?中々の大軍勢じゃのう。金の歯車と剣の紋章が鎧に付いておるのぉ」


 金の歯車と剣の紋章か…機皇国エングルだな、あの国は機械産業と魔導鎧の開発に力を入れていたはず。ここに何らかの資源でもあるのか?


「エングルか、数はどれぐらいだ?」


「ざっと数えて10万かのぉ、この国ができたばかりの今がチャンスと思ったんじゃろな。適当に軍を向かわせ侵略すれば広大な土地がお手軽に手に入る、つくづく人間は愚かじゃのぅ」


 呆れた顔をしながらヴィオレスがポテトフライを口に入れる。この前暇つぶしで作ったものの一つポテトフライ、作り方はシンプルなのに美味い最高の食べ物だ。


「俺は用があってな、あいつらの相手を頼めるか?」


「良いぞ、食後の運動がてらに相手をしてやろう、全員殺せばよいのか?」


「いや、軍を率いるやつがいる筈だ。そいつさえ生かしておけばあとは好きにしていいぞ」



「了解じゃ、ちょいと遊んでこようかのぅ」


 そう言って彼女は窓から飛び降りそのまま龍になって飛び立っていった。


 機皇国エングル……近年目覚ましい発展を遂げている国の1つ、10年前までは特にこれといった特徴のない国だったが4年前突然近隣の国に侵攻し領土を広げた、亡命してきた元兵士によると一切攻撃を受け付けずまるで機械のようにただひたすら向かってきたとのことだ。


 椅子に座りコーヒーを飲んでいると遠くのほうで爆発音と悲鳴が聞こえてきた終わるのも時間の問題だな、さて賠償金を取れると良いんだが、機皇国エングルの皇宛の近日中に訪問する旨の手紙を持たせた。


 ごまかされないと良いんだがな。



 「隊長、ご報告です!現在上空に龍が出現し応戦していますが被害は甚大です。このままでは全滅もあり得ます!」


「何だと?、ぬぅ仕方あるまい最低限の兵を残し撤退するぞ!すぐに準備しろ」


「承知致しました」


数十分後、機皇国エングル軍第1部隊は撤退を始めたが、龍神帝によって壊滅させられ隊長であったダイダス・ゾールを除き全滅したのだった。



〜機皇国皇城〜


「第1部隊が全滅だと!?いったい何があったのだ!」


「それが、ダイダス殿の話によると巨大な龍に襲われたとのことです。ダイダス殿も左腕を失い全身火傷している状態で復帰までかなりの時間を要するかと」


「そうか、分かった。全く父上め最期にとんでもない皇命を出してくれたな、まさか死ぬ寸前に侵攻させるとはな。穏便に和平交渉できればよいのだが」


我が国の技術力ならば火傷と腕の欠損程度なら問題はないが多くの兵を失ったのはかなりの痛手だ、なんとか補填しないとな。




「エングルの軍隊も大したことないのぉ、わしのブレスでであっさりと吹っ飛んだぞ、ちと期待外れじゃったのぉ」


気の毒なもんだ、まぁこればかりは相手が悪いとしか言えないんだがな。


「ちょっくら行ってくるわ、留守は任せたぞ」


「うむ、任された」


そうして俺は機皇国エングルへと旅立った。


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