番外編② 魔王の誕生
魔王と呼ばれる存在が生まれるに至った経緯の話です。本編はもうすぐ更新できると思います。もう少しお待ち下さい!。
番外編② 魔王の誕生
魔王という存在は恐怖の象徴としてあらゆる種族から恐れられている。
そのきっかけとなったのは1番最初に[魔王]を名乗り始めたのは、アダマスと言う名のハイエルフであるとされている。
彼は、およそ2000年前に魔王としての力を手にしその名を世界に轟かせたとされているが、彼が生まれ育ったとされる国が、他ならぬ彼自身の手によって滅ぼされている上に、通常のエルフよりも更に長命である彼と同族のハイエルフが軒並み行方不明となっているため真実は定かではない。
〜2000年前〜
「憎い…憎い…俺から全てを奪ったこの国が憎い」
全身血だらけな上に片腕のない青年が、歩いていた彼は、たった今国軍によって故郷の村を滅ぼされ命からがら逃げてきていた。
彼が住んでいた国の名はルベウス王国、国土も軍事力、世界への影響力全てが世界一と言われている国であった。なぜその国がハイエルフの村に攻め入ろうとのか、どのような考えがあってのことなのか謎ではあるが王命が出されたされた以上国軍にいる騎士たちは当時疑問に感じながらも、攻め入る以外の選択肢はないのであった。
ハイエルフは魔法使用に対して非常に優れている種族ではあるが基本的にハイエルフは魔法を遠距離または、中距離で使用するため近接戦を苦手としていた。一方でルベウス王国軍の騎士たちは、非常に近接戦において秀でており戦力の差は歴然であった。
しかしハイエルフ達は何とか数名を逃すことに成功していた、そのうちの1人がアダマスであった彼は家族全員をこの戦いによって失っていた。
平穏な日常を壊された彼の怒りは収まることを知らず心に闇を募らせていった。
森の中の山菜や獣を食べ不自由ながらも何とかその日を生きていた彼の身に、ついに変化が訪れる。
募らせていた負の感情が彼の体を蝕むようになり日に日に弱っていきついには命の危機にまで瀕してしまったが、その一方で彼の国への怒りや憎しみといった感情が魔核となり彼の体を異常なほど強くした。
魔核という魔力を生み出す器官ができたことを本能的に悟った彼は、かなりの魔力消費がある治癒魔法で腕や傷を回復させ、自分の故郷を滅ぼした国を滅ぼす準備を始めたのであった。
それから約5年後たった1人のハイエルフによってルベウス王国は滅ぼされた。