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神魔術転生神風神人隊  作者: ゆつぎ
第一章 四人の神様と一人の少女
3/4

第3話『そして私は彼らの正体を知り 出会った

前回から何年も絶ってしまいましたが環境が少しだけ整ってきたので再開します

今回からセリフの時にキャラ名を書かなくなりました

これから遅いペースですが何とか自分のペースで描いていきます

暇潰し程度で読んでくれて構いません

それではどうぞ





私は神様が嫌いだ

でも最初から嫌いだった訳ではない

小さい頃は信じていた


それは私がまだ2歳だった頃の話だ



『ねえねえおとうさんおかあさん』

その日私はたまたまテレビで神社の特集を見ていた

その時の私は思いつきで母と父に聞いてみた

『かみさまってほんとうにいるの?』


すると父が

『ああいるよ、フィーネの周りにね』

『ほんとう!』

『ああ本当さ

フィーネの事をいつも見守っているし

フィーネがいい子でいたら

きっと神様は助けてくれるよ』

『えへへそうかな』


『あなたそんな話フィーネにしないでください信じちゃうでしょ』

『いいじゃないか、真面目な人は絶対に幸せになれる

僕はそう思うよ』

『おかあさん、かみさまってヒーローみたいだね』

『ヒーロー?』

『うん!ヒーロー

わるものをこらしめてくれるし

こまっているひとをたすけてくれるヒーロー

フィーネかみさまとおともだちになりたい』

『ふふまあそうね

フィーネがお勉強やお手伝い頑張ってくれたら神様に合えるんじゃないかしら』

『うん!わたし

おべんきょうがんばる!

そしてかみさまとおともだちになるんだ』


その時の私は今みたいに後ろ向きな性格ではなかった

不安も恐れもなく

明日が来るのが当たり前の

ただ何処にでもいる普通の女の子だった






時勇さん達と別れた私は一人歩いていた

夕焼けが自分の心を癒してくれる

生きてるってこういう感じなのかな

明日もこんな日が来てくれるかな




しばらく歩いていると

草むらに踞る人がいた

中年位の男性だろうか

背丈は平均的に低い


『あの大丈夫ですか?

何処か痛いのですか?

もし良ければ救急車呼びましょうか』


私が話しかけてもその人は答えない

何か小さな独り言をブツブツ呟いていた




大丈夫だろうか?

何か怖い思いをしているんだろう


ん?よく見てみると私はその男性に見覚えがあった

小さい頃に会ったような


・・・あ!もしかして


『あの間違えていたらごめんなさい

もしかして鈍城さんですか?』


『・・・その声、もしかしてフィーネちゃん・・・かい?』

『 はいフィーネです!高城フィーネです!お久しぶりです鈍城さん』


この方は鈍城さん

お父さんの同僚の方です

私も小さい頃よく遊んでくれました

とても優しく穏やかな性格の方です


鈍城さんは起き上がり私の方を向いた

少しボロボロの作業服を着ていたが

相変わらず人柄が良く優しい雰囲気の感じは変わっていない



『久しぶりだね

最後に会ったのは小4の頃だよね

大きくなったね』

『えへへそうでしょうか』

『後なんか知らないけど表情明るくなったね、前は大人しかったのに』

『?そうでしょうか?』


しかしその言葉とは裏腹に鈍城さんは


『うらやましいな』


え?


『いやなんでもないよ』


なんだか様子がおかしい

鈍城さん様子が変だ

とても顔色が悪い

昔はとても元気でいつも頑張るぞ

といつも口癖にしていたぐらいだ

なのにどうして


『フィーネちゃんはさぁ~』

『あっはい』


突然彼は私に問いかけて来た


『死にたいって思ったことある?』


へ?

『ないかな~、まあないよな~

君ぐらいの歳は幸せに道溢れているし

何も不安はないし

いいな子供って

大人に頼って生きて何も不安がなくて

何もしなくてもご飯と住む場所があって、さあ!』


そういうと鈍城さんは落ちてた石を蹴飛ばした

蹴った小石は川にポッチャリと沈んだ


どうやら鈍城さんは機嫌が悪い様だ

何があったんだろう?


『あの鈍城さん何かあったんですか?

もしよろしければ私に話して頂けないでしょうか』


私は苦しそうにしている鈍城さんに手を伸ばした

きっと苦しいんだ

だったら私もあの二人が助けてくれたように

この人の心に寄り添うんだ


『フィーネちゃんは・・・なんて』


きっと鈍城さんも笑顔になれる

そう思った


『傲慢なんだよ』



へ?


『傲慢なんだよね君は

そもそも今の僕の境遇は君のお父さんのせいなんだよね』


へ?お父さん?何を言っているんだろうこの人


『君のお父さんがいなくなってからさ

社長のいじめのターゲット

僕になったんだよ

本当に嫌になるさ

毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日!

嫌になるくらい電話してきてさ!

人が寝ているときも仕事しているときも休みの日も家で休んでる日もよぉ!

めんどくさいだよあのクソジジイ!

ああ殺したい殺したい殺したい!

俺はこんなに頑張っているのに

あいつは駄目だとか下手くそだとか

死ねだとか言って来やがる!

おまけに給料を振り込まないしそれで1000円以上増えねぇ!

そのくせ自分は何も出来ない癖によぉ!

マジでムカつくんだよ!』


私は眼を疑った

本当にこの人は鈍城さんなのか

どう見ても別人だ

昔は誰も恨まない

悪口なんて言わないとても優しい人だった


いったい何があったんだろうか


『君のお父さんはね社内でもかなり優秀だったよ

仕事も出来て誰にでも優しくて

気配りも上手かった

でもそあのクソジジイはそこに目をつけたんだろうね

毎日朝早くから起こして自分の家の厄介事を全部君のお父さんに丸投げしたんだよ

それから先輩はおかしくなっていった

仕事もミスが増えて顔もやつれて

眼も虚ろになっていって』


そうだ!思い出した

確かにお父さん毎日朝早かった

私が聞いても仕事だからと言っていたがあれはそういう事だったんだ


でもどうしてそんな事を


『あの鈍城さん

どうしてお父さんはそんな事をしていたんですか?

だって何処からどう見てもあまりにおかしいじゃないですか

そんな事に従う必要なんかないのに』

確かにそうだ

そんなものは最早犯罪だ

なのに何故父はそれに従ったのだ?

普通に労基署に駆け込めば・・・は!?

その時は私は思い出した

確かお父さんは会社にお金を貸していたのだと

もしかしてそのお金を返してもらう為に働いていたのか

だとしたら辻褄が合う

一時期我が家は明日食べる物も考えなければならない位追い詰められていた

そのせいでお父さんとお母さんのケンカが絶えなかった

まあ端から見ればお父さんが悪いのだ

そんな危ない会社普通は即辞めるのが普通だ

でもお父さんは・・・・騙されたんだ

返してもらえるお金を

きっとお父さんの事だ

自分の為じゃなく私達の為にそのお金を取り返そうとしたんだろう



『フィーネちゃん、なんで君のお父さんが逃げなかったのか

それはね、君のお母さんと君を守るためなんだよ』

『先輩は優しかった

でもその優しさが仇となった

自分の事は一切考えずいつも周りの事ばかりだから、あんな事に』










『なあルナ』

『どうしたの時勇』

『そろそろ解除してもいいんじゃないか【あれ】』

『ああ気づいてたのね

そうねフィーネちゃんが家に着いてからにするわ、道中に霊と遭遇する羽目になるから』

『でもキツいだろそれ維持するのも』

『大丈夫よ、あの子が笑顔で生きれるまで、それまでは私が守るわ』

『おい早神それはないだろ

【俺達】でだろ?』

『あら国神君の力であの子を守れるのかしら』

『そうだな、俺達四人の中で普通の能力だしな』

『普通って言うな!』

『まあまあ赤髪ロリコンはさておき』

『誰がロリコンだ!』


と俺達は何気なく雑談していると

俺の身体全身痺れる様な痒みが起きた


・・・・これはやばい事が起きる

俺の身体にこれがくると絶対良くない事が起きる


そしてその時は来た


------!



この気配は

間違いない

【あいつ】がいる

しかも近い、方角からするとフィーネと別れた道に近い

まずい、フィーネが危ない!


『月!』

『ええ!わかってる

国神君と闇染君は警察に連絡して

私と時勇はあの子の所に向かうから

お願いね』

『OK』

『了解した』


そして俺と月は来た道を全速力で引き返した


間に合ってくれ



『でもねフィーネちゃん、君のお父さんがいなくなってからは今度は僕がいじめのターゲットになったんだ

毎日朝5時から起こされて

仕事も減って給料もほとんど無くて

毎日1000円位しか貰えない

しかもそれ以上は貰えないだ

後ね僕が実に覚えのない物を壊したと言ってイチャモン付けてきたんだよアイツ

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日

もう限界だ!

殺したいよ!手足をもいで口に限界まで酒を飲ませて吐いても飲ませて吐いても飲ませてを繰り返して肉を少しずつ包丁で切り落としていって耳をハンマーで潰して目に釘を打ち込んで

最後に脱水状態で放置して干からびさせて!』


鈍城さんは上司を相当恨んでいた

でも私にはわかる、きっとその上司は殺されても文句を言えない位悪い事をしてきたんだと思う

でも


『鈍城さんはそれでいいんですか?』



『ああ?』

『それでいいんですか?その上司さんを殺して鈍城さんは満足なんですか?』

『うるせぇ!何も知らないガキが偉そうな事を言ってんじゃねよ!おめぇらは学校行かなくても家で勉強出来るからいいだろが!こっちは毎日死に物狂いで働かなきゃいけねぇんだよ!!わかったこの世間知らずが!

うっ!?』


鈍城さんがいきなり胸を押さえて苦しみ出した


『鈍城さん!?鈍城さん大丈夫ですか!?鈍城さん!』


『うっ、んぐぅううんあああああぁぁぁぁぁああああ!』


『鈍城さん!しっかりしてください!今警察と救急車呼びますから』

そう言って私は携帯を取り出し110番と119番を押そうとした


『があぁあああああぁぁぁんあああああぁぁぁいいいんんゆざあがぁぁぁぁぁふ、フィ ネ ち ん

フィーネ、ちゃん、 にげ

ろ は 』


鈍城さんは何かを訴えていた


私も早く電話しないと思ってよく聞こえなかった


『フィーネちゃん!逃げろ!!早く遠くえ!』


へ?

逃げる?鈍城さんは何を言っているんだろうか、何故逃げる その言葉の意味が解らなかった


そして私は彼の方に目を向けた

するとそこには





何かよくわからない

""へんなもの"""がいた


なんだろう、あれ?

【8】って書いてある黒い物体が鈍城さんの背中から出ていて浮いてる




するとその黒い物体からいきなり黒い手の様な物が6つ映えた

それと同時に酷く濁った眼と口が無数に浮かび同時に出てきた



ィ ネ

フィ ネ


フィーネ!

フィーネちゃん!


遠くから声が聞こえた


声がする方向に振り向くと時勇さんと月さんが必死な顔で走ってくる



いけない

時勇さんと月さんに伝えないと

でもその前に警察と救急車を


『フィーネ!

そいつから、今すぐそいつから離れろ!早く!!』


と時勇さんは大声で叫んだ

どうやら""あれ"は相当危険なものらしい

急いで逃げないと

私は少し距離を置こうと足を動かした


その時




私の身体はいきなり何かに引っ張られた



例えるなら

ジェットコースターの下る瞬間

あれと同じだ

ただ違うのは安全装置など無い

一瞬何が起きたか解らなかった



よく見ると私の身体の腰回りに

さっきの黒い大きな手が私の腰を掴み私は宙に浮いていた


私は悟った

このままだと私は死ぬ

この化物は私を何処かに連れ去った後必ず殺すだろう


いつもそうだ

良いことがあった日の後は最強の不幸がやってくる

今までもそうだった

テストで100点を取って嬉しかった日の後間違いで犯人に仕立てあげられたり

財布を交番に届けた後に落とした本人に逆ギレされたり


体育で珍しくマラソンを完走出来た日は教科書が全て無くなってたり


好きな本を運良く借りられた日は

水着を盗まれ校門前の道端に捨てられたり


やはり私は

私には



《幸せなんか似合わない》

《この世界に生きている事が相応しくない》



そしてそんな日はいつも頭の中から声が聞こえる


死のう、ねえ死のう

生きてても辛いでしょ

死んだら楽だよ、辛くないよ、痛いのはほんの一瞬だけ

それさえ我慢出来たら後は楽だよ


私はいつもこの声と死の誘惑と戦って来た


死んだら夢が叶わなくなる

こんな私でもある夢を持っていた

それのお陰でなんとか生きてこれた

生きていればきっといつかは報われる日が絶対来てくれる

そう信じて今日まで生きてきた



でも流石に今回は無理だ


もうすぐ私は殺される

この化物に




『『フィーネ!フィーネちゃん!』』


時勇さんと月さんが私を見て走ってくる

でも無理だ

いくら彼らでもこの化物には勝てない



・・・・!

恐怖心で声が出せない

力がでない

怖い

もう駄目だ


そこで私の意識は途切れた







『フィーネ!

クソ何で【ナンバーデビル】が出てくるだよ!

追うぞ月!』

『わかった

行きましょ』


俺達は走り出した

あれをほっといたら世界が滅ぶ

あれを倒せるのは俺達しかいないんだ

だからフィーネを必ず取り戻す

あいつはまだ人生のスタートラインにすら立ってないんだ

だから!




こいつはいい

まさか俺を視認出来る奴がいるとは

しかもそれがこんな小娘だとは

こりゃ更に力が上がる

ゆくゆくは人間界を支配してクソ忌々しい神も魔王サタンも越えて俺が最強になる!


このガキを見て追って来たガキ二人もいたが

まあいい

まずはこいつを殺して取り込んであのガキ二人も取っ捕まえるか

それにしても馬鹿なガキだ

車より速い俺様に

付いてくるなんて出来やしねえのにな




ん?ちょっとまてあの二人全然引き離せない

それどころか迫って来てるだと!?

どうなってんだ!?


それは悪魔も驚いた

自分が全力で逃げているが全然引き離せない

それは町に入っても変わらなかった

屋根を跳び移り壁を蹴りまるで忍者の様な身のこなしで追ってくる


嘘だろ

こいつら本当に人間か!?

あり得ない

まさかこいつら

いやまさかな





俺は今までずっと真面目に生きてきた

人に優しく自分に厳しくそんな人生だった

俺は田舎の離島で産まれ名字が珍しくもあり、よく苛められていた

そんな俺にも夢が出来た

役者になりたい

ふとたまたま観に行ったミュージカルに感動して自分も俳優になりたいという夢が出来た

俺は金を貯めて上京した

しかし演技に自信があった物の

俺は自分が嫌いで自己アピールが滅茶苦茶嫌いでオーディションに何度も落ちた

そして俺はある日壊れた

何もやる気が起きず食欲も無くなり

鬱になった

しかしローンを返す為に別の会社に就職した

しかしその入った会社が不味かった


その会社は暴力パワハラは当たり前

仕事を教えてないのに何故出来ないと怒鳴る

年功序列が当たり前

空気が重い、まさに体育関係の会社だ

しかもそこの上司は詐欺師で人を騙して暴力で脅すというチンピラみたいな奴で飲酒運転や給料未払い、税金も未支払いも当たり前

目をつけられたら家にまで来て早朝からインターフォンを連打

ドアも叩く口調も荒い

俺も何度も殺そうと思った

しかし殺せば罪になる

そうなれば俳優の夢は消える

俺は歯を食いしばって働いた


しかしそれでも限界が来た

毎日朝5時から起きて眠い眼を擦りながら上司のアパートに行く

毎日ゴミ出しの後ガソリンを入れにセルフガソリンスタンドに行く

寒い冬だからタオルは凍っておりそれでも拭かなければいけない

これが毎日だ

その後食べたくもない朝食を無理矢理食べないといけない

食べなければ人前で怒鳴るか殴られるかのどちらかだ

誰か助けるかって?

いや世の中そんなヒーローみたいな奴はいない

人は我が身可愛さいっぱいだからな

そして朝7時に工場へ

そしてお昼になったら上司に電話だ

ミスがないかの確認

もちろん嘘をつけば先輩に聞くという

毎日気が休まらない

それから夕方5時まで仕事して終わったら上司に報告

そしてその後車の運転の為に呼び出される

俺は元々一人が好きなのだがハッキり言って迷惑だった

その後10時まで拘束

これが毎日だった

毎日どう死のうか考えていた

目を積むってトラックに飛び込むかとか首を吊る時何処で吊ろうかとか


でも俺は死ねなかった

両親を残して死ぬのは嫌だった

しかしどうしていいかわからない

金は無い

借金はある


そんなある日俺は仕事を終えてクソ上司に電話をしようかと電話をしようとしたその時

《なあこのままでいいのか?

このままあんなクズの言いなりで人生終えるのか?夢は叶わない、良いこともない、誰も助けてくれない

そんな人生楽しいか?

嫌だろ?だったら俺が叶えてやるよ》


俺は辺りを見回した

しかしそこには誰もいない

疲れているのかと思って電話をしようとした


《おいおい無視するなよな

このままでいいのか?

お前だって美味しい思いをしたいだろ?

なら俺が叶えてやるっていってんだよ》


『・・・もしかしてこれって俺の頭の中から聞こえているのか?』


《おお察しがいいね!

ご名答、その通りだ

いいか?俺はお前を助けてやる

力があればあんなクソ爺一捻りだ》

『本当なのか?』

《ああ本当だその代わり身体を貸してくれよ、それだけが条件だ

悪いようにはしねえよ》

俺は考えた

普通ならこんなの頭がおかしいだろうと考えるが

俺はこの時藁にもすがる思いで頭の中の声に耳を貸した

『わかった、ただし殺すのはあの爺だけだ

それが終わったら身体を返してくれ』

《もちろんだ約束するよ》

『よしなら頼む』

そして俺はその声の主に身を委ねた



それから俺は超人的な力を得た

10tトリックを持ち上げる位のパワー

車よりも速く走れる様になり思考もクリアになった

そして何より自信が段違いについた

今なら何でも出来る

俺は最強だ!



おかしい

もうかれこれ20分逃げているぞ

なのに何で全く引き剥がせない

何故だ?こいつら何者だ


ヤバいこのままでは追い付かれる


ん?あそこにうろちょろしてるガキがいるな



よし!

後少しで追い付ける

取っ捕まえてぶっ潰す!

時勇と月は確信した


距離にして300メートル

後少しだけ

そう思った


その時目の前から何が飛んできた



( ? 石?じゃない!?人、子供か!)

小学校低学年位の男の子と女の子が目の前から飛んできた

それを両手で抱えてキャッチする


『んん!ととと危ね、

おい少年大丈夫か?』

『あ、あり、がとう』


女の子の方は月がキャッチしてくれた

『大丈夫?怪我とかない?』

『あ・ああ・・あ突然何かに投げて飛ばされた』

どうやら同様してる

まあ無理もない

普通の人は悪魔が見えない

いきなり宙に浮いて投げ飛ばされたとしか思えないからな

しかし



・・・あれあいつどこ行った?

『・・・ヤバい見失った!』

『はあ!?何でそうなるのよ!このバカは!』



ヤバいヤバい

見失った

急いで奴の行き先を探さないと


まだ近くにはいるはずだ




思えば私はいつもこうだった

よく周りから暗いとか明るくしろとか

言われていた

もちろん私もこのままではいけない

と思い色々な本を読んだり人からアドバイスをもらって実践してみた

しかしやはり上手くいかず悉く失敗に

終わった

それでも諦めず何度もチャレンジした

しかしそれでも失敗した

何故だ

何故失敗してしまうのか

ポジティブになろうとした時

前向きに生きようと思った時

何時だって失敗に終わった

それから私は前向きに生きるのを辞めた

それから私の気持ちは暗くなって行った


肝心な所で助けてくれない


あれだけ大好きだった神様が嫌いなって行った




私がなにをしたと言うのだろか?

もう疲れてしまった

だから私は自分の人生を終わりにしようとした

しかしそんな私の終わりを邪魔した二人がいた

黒髪の少年と銀髪の少女だ

あの二人に出会ってから私の人生はもう一度生きたいと願い始めた


しかしそれももうすぐ終わりを迎える

そうもうすぐだ




あれからどれくらい経ったんだろ?

私は眼を覚ました



ここは何処だろう?

工場?


なんでこんな所にいるんだろ?


暗いな


前までは暗い所にいると落ち着いた

何も見なくていいし誰とも関わらなくていいから疲れないし


でも時勇さんと月さんと出会ってから私は少し変わった

明日も生きてみたい

神器さんと殺さんとももっと話したい


また5人でご飯が食べたい

明日も昼休みに話したい


もし許されるなら5人で映画や遊園地に行きたい

勉強したい

お泊まりしたい



あれ?何で私泣いてるんだろ?

死ぬのなんて怖くないのに

あれだけ生きるのが嫌だったのに


わからない




そんな事を考えながら辺りをウロウロしていると


ドッ

ぐへぇ


『いっ・・・たぁ〜何ですか?これ?』

私は持っていたスマホのライトで躓いた先を照らした


『ハァハァハァハァ・・、っハァハァ〜』

女性の人が倒れていた

そしてよく見れば私の様に誘拐されてきた女性がうずくまって震え怯えていた

『っ!

大丈夫ですか!?何処か痛い所は!?

今救急車と警察を呼びますね!』

落ち着け私、大丈夫だ警察と救急車を呼ぼう

幸いここは電波も通じる


見たところ女性は大きな怪我もしていなしもう少し頑張れば来てくれる


『 し ず かに て』

え?今なんて?

『お願い・・静かに・・して

あいつ、・がく・・るから』


あいつ?・・・もしかしてあの化物か!


そう思った時には遅かった


バン!


突然ドアが開かれた

誰かが入って来たのだろう

目を凝らして見てみると


『やあお目覚めかな♪』

鈍城さん!?

そこには鈍城さんが口を裂ける程に笑顔で笑っていた


『鈍城さん・・いや違う』

私にはわかる

この人は鈍城さんじゃない

あの悪魔だ



『いや〜今日はいい日だ

女は喰えるしその上当たりを引いたし

さてそろそろ』


鈍城さんに似た悪魔はそう言うと



《くうか》


彼の背中からあの数字の悪魔が剥いでて来た


するとあの黒気持ち悪い腕が10は余裕にあるかの如く大量に出てきた



そして次の瞬間


もの凄い勢いで周りのいた女性達をどんどん捕まえていった



『キャアァァァァァァァァァ!』

『イヤァァァァァァ!』


そして捕まった女性達は


ビシャ



グチャ

バキッ ボキボキ

まるで空き缶を潰していくかの如くバラバラにされていった

ある人は頭を

ある人は身体を

ある人は全身を


そして潰した人間から滴る大量の血を

ジュースを飲むかの如く飲み干していった



《っぱぁ〜うまい!やはり人間の女の血はうまい

おまけに身体もうまいな〜

あっははぁあはあはあはははははひゃひゃゃあやいやいあ!》


これは夢か

目の前に怪物がいる

その化物が人を殺して食べている

なんとか逃げなきゃ


でも逃げ道なんてない


何処に逃げれば


いや

ある!


幸運にも化物はドアを開けっ放しだ

誰か一人が劣りになれば他は逃げられる


『何!?何なのこれ!

どうして私宙に浮いてるの!?』


どうやら他の人にはあの化物が見えてないらしい

私は混乱しているこの場で何か使える物を探した


すると角側に鉄パイプが何本か置いてあった


(よしこれで)

私は化物が他の人達に注意が向いている間に走って背後に回った


よし大丈夫気づいてない

いける

私は気づかれない様に鈍城さんの背後に周り鉄パイプを振り上げた


『やああああ!』

ガンッ!


私は鈍城さんの頭を殴った

大丈夫、これは正当防衛

後で職務質問されても命の危機にあったのでと言えば何とかなる


はず?


『皆さん早く逃げて下さい!』


私がそう言うと蜘蛛の子を散らす様に女性の人達は我先にとドアに向かった

『ありがとう!貴女も早く』


良かった、よし私も逃げよう



そう思った瞬間だった


《痛いね、何すんだよこのクソガキ!》


私の身体を掴んで壁に放り投げた



ドガン!


私は激しく壁に打ち付けられた

『ガッハ!

っゲホゲホゲホゲホ!』


背中が痛い

頭が割れそうだ

息が苦しい

お腹が痛い



悪魔は全く平気だ

頭を鉄パイプで殴ったのにピンピンしている


《そういえばお前、俺が見えるんだったよな

まったく最後のメインディッシにと思って取って置いたのによ

仕方ねえ

今くうか》


私の身体が突然冷えた様な感覚に教われた


もうすぐ死ぬ


もうすぐ命が終わる


《でもただ食うのも面白くない

そうだまずは服を全部破いて

そのあとは全部のゆびをひっこぬき

そのつぎにその細い腕と足と太腿をひっこぬき

ぐちゃぐちゃにつぶして次に眼玉をくり貫いて耳を引きちぎり

喉をつぶして

次にその綺麗な髪を引きちぎり

ぐちゃぐちゃにもみくちゃにして

さいごに



あたまをつぶす》

正直化物の言って事が理解出来なかった

いやもうどうでも良かった

好きにするといい

もう私は疲れた

やっと掴んだ希望も粉々に砕かれて

もう立ち上がる気力もない


お母さん今どうしてるかな?

私はふと自分のスマホをポケットから取り出した

時刻は18:30

ああ門限守れなかった

最後にお母さんのご飯食べたかったな

鈍城さんこの後どうなるんだろう?

私を食べた後あの上司に復讐するのかな?

それならいいや

鈍城さんがお父さんの敵を打ってくれればもう思い残す事はない

今日出会った学級委員の顔が浮かんだ

癒さんもっと話たかったな


と今日お昼に撮った写真を見た


神器さん怖そうだったけど優しかったな

殺さん、怖そうだったけど何が好きだったんだろう?


月さん


ビンタされたけどそのあと抱きしめてくれた

あの温もりは暖かったな

もし許されるなら

一緒に本とか洋服とか買いに行きたかったな


時勇さん

死ぬことは悪い事じゃないて言ってくれた

普通そんな事言わないのに

あの人も死にたくなった事あるのかな?

もし出来ることなら

また一緒に勉強したりやご飯食べたかったな




あれ?なんで私泣いているんだろ?

あれだけ死にたかったのに

あれだけ諦めていたのに



ああそうか





わたし

まだ




生きたいんだ




いきたい

生きたい

明日の世界を





みたい




私は最後の力を振り絞って立ち上がった

しかし立ち上がるだけで精一杯だ

とても走って逃げれる状態じゃない




《おお!まだ立てるのか!いや〜これで終わったらつまらないな

でもよ》

《いみねえんだよ!ボケェ!》


私に向かって化物は黒い手を伸ばした


どんどん近づいてくる


500メートル

300メートル

100メートル


50メートル


そしてその腕は10メートルまで

迫っていた


怖くて眼を閉じた

怖い

寒い

心が痛い



それでも私は

生きたい

生きたい

生きたい

生きたい!!!


嫌だ、こんな所で



死にたくない!!!


だれか



『誰か助けて!!!』


私は無意識に叫んだ










『間に合った!』




何処からか声が聞こえた


私は眼を開けた時、そこにはなんと目の前にダイヤモンド型の大きな盾みたいな物が私を黒い腕から護ってくれていた


《ああ?なんだこりゃ?》

黒い腕は方向を変えて横から私を捕まえようとしていた

するとそのクリスタルの盾もそれに合わせて移動した


《くんんんなんだよこれは!

全然壊れねぇ!死ぬよくそが!》

しかしどれだけ攻撃してもそのクリスタルの盾は壊れない

そして



盾は形を変えて紐の様になり

そして化物に巻き付く

《はあ!?なんじゃこりゃ!?

おい離せ!離せクズが!》




『なんとか間一髪って所だな

大丈夫かフィーネ?』

『ごめんね

遅くなってごめんね』


なんとそこには時勇さん月さんの姿があった


正直驚いた

あんな猛スピードで飛ぶ化物に追い付いたというのか!?

一体どうやって?


『とき、おさん?

るな、さん?』



『さてそんじゃ始めるか

その前に月子君』

『はいはい

ほいっとな』

そういうと月さんは指を振り化物を縛っていた光の紐が解けて再びダイヤモンドの盾が私を囲った


『フィーネそこから何が何でも絶対に出るな

俺達がこいつを倒すまでな』

『まあ安心しなさい

ざっと10分で終わらせるから

ゆっくり休んでいてね』


何を考えているんだこの人達は

いくらなんでもあんな化物に敵うはずがない

どれだけ強いか知らないが



『止めて下さい!私の事はいいからすぐに逃げて下さい!

早く!』


『まあ大丈夫だ

さて』

『少しばかし』

『『戯れようか、人間よ』』

そこに居たのはお昼の時の様な明るい雰囲気の学生の姿ではなく

まるで別人の様な雰囲気を纏う二人

そして



【神化】



そういうと二人は黒い風と白い風に包まれた



そしてその風が晴れると二人はなんと奇妙な衣装に身を包んだ


時勇さんの方は黒いマント(フード)を纏った

その姿はまるで

死神


そして月さんの方は白銀の衣を纏いスカートと黒いタイツという奇抜な格好であった

あれは魔法少女

いや賢者か


綺麗だと同時に


私の不安は一気に増した


思えば最初からおかしいと思っていた


5階から飛び降りた私を抱き抱えて傷一つ負って無いこと

普段霊や不思議な者が見える私がそういった物を一切見なかった事

化物があんな猛スピードで逃げているのに追い付ける事



考えたくはなかった

自分を救ってくれた二人がまさか【あれ】だと信じたくはなかった


でもそうとしか考えられない


そう



彼らの正体は







【魔法使い】だと









続く



次回やっとバトルパート突入です

少しでも読者を楽しませられる様に頑張ります

ちなみにこの上司のモデルは僕の前職の上司をモデルにしています

これ以上ないぐらい最高の悪役にぴったりだったので

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