第2話『それでも運命は簡単には変わらない』
私は四人と別れ
屋上からの階段を2階まで下りていた
今私は最高に幸せな気分である
たかが友達とお弁当を食べただけだが
私にはそれで十分、いや最高の幸せだった
今まで私は学校では一人でしかご飯を食べたことがなかったのだ
きっと私の人生は変わっていく
そう信じていた
はずだった
私は有頂天の気分で教室に入った
そして机を見るとそこには
汚い落書きと心ない言葉がこれでもかと思うぐらいびっしり書いてあった
死ねとかキ○○イとか妖怪とか
他にも書いてあった
私は・・・やはり私の居場所は地獄以外ないのだろうか
私は気分が悪くなった
まるでお腹を殴られたような気分の悪さだ
と突然教室のドアを女子グループが勢いよく入ってきた
女子生徒1『あれ~高城じゃんなにしてんの?そんなとこで』
女子生徒2『うわ~きたな~い
グロ一体誰がこんな事をw』
私は彼女達が悪意を持って話ているのを感じた
多分、いや絶対にこの人達だ
気持ち悪い
吐きそうだ
人の悪意は本当に気持ち悪かった
私は無我夢中で教室を飛び出した
そしてトイレでさっき食べたお昼を戻した
はぁはぁはぁ
やはり人生などそう簡単には変わらない
一時の幸福と無限の地獄
やはり私は呪われている
その後私は2~3回嘔吐した後トイレを出た
(ああ次の授業出なきゃ、でも気持ち悪い
さっき吐いたから頭がフラフラする)
確か人は嘔吐すると体力を著しく低下すると本で呼んだ事がある
(ダメだ頭と身体がうまくうご・・か・ない)
バタ
私はそこで気絶した
気がつくと私は見慣れた天上が目に入った
(ここは、保健室?誰かが連れてきてくれたのかな?)
私はしばらくぼーと外を見た
時勇さん達もう帰ったかな
ふと時計を見ると時間は16時を回っていた
時勇さん達帰ったのかな
きっと私の事なんて忘れているのだろうか
早く帰ろう
私は置き手紙を書いて机に置いて教室に戻った
カバンを取りに私は教室に戻った
誰もいないだろうと思い扉を開けると
一人いたのだ、女子生徒が
髪の色は黄緑色でロング
背は少し高め
しかも私の机の前に
お化けだろうか?
しかし足は付いている
どうせまた落書きでもしているのだろう
そう思い私はその人に声をかけた
フィーネ『あの~それもう書くところないと思いますよ』
そういうと彼女は振り返った
癒『あ~すみませんまだちょっと終わってなくて、一応何とか頑張って消してはいるんですけど』
消している?嫌がらせをしているのではないだろうか
私は自分の机を覗きこんだ
驚いた事に落書きがほぼ消えていたのだ
まだちょこちょこ書いた後がちらほらあるがほとんど消えていた
フィーネ『これ・・もしかして貴女が消してくれたんですか!?』
癒『え~と、まあ下手くそですけどまあ』
なんて親切な人だろう
こんな人がまだこの世にいるなんて
フィーネ『あのありがとうございます。
ってあれ?
貴女もしかして学級委員の冷静癒さんですよね』
癒『あはい私
冷静癒と申します
それで貴女は噂名高い高城フィーネさんですよね』
フィーネ『はい!高城フィーネで、す
え噂?』
フィーネ『あの委員長さん噂って~どんな噂ですか?もし差し支えなければ』
私は恐る恐る彼女に聞いてみた
癒『あ~まあ一つは全国学生テスト中学の部1位を取った事ですね
あれ結構引っかけとか多いですけど高城さん一問も間違えなく正解したから凄いですよ』
え~とあれってそんなに難しいのだろうか
教科書を読み込んで先生の話を聞いて何を言ってるのか理解出来れば全てとはいかなくても結構いい点が取れるのだが
フィーネ『後は何かありますか?』
癒『そうですね
綺麗な金と銀の混ざったとても綺麗で可愛いらしい女の子だとか!
結構貴女のファンいますよきっと』
ファンってはははこの人も冗談が上手いな
きっと悪気はないんだろう
でも
フィーネ『やめた方がいいですよそれ
私見た目だけの女ですから
でもって中身は真っ暗で闇の様な人なんです
自分の事も嫌いで不幸を呼び寄せる体質だから』
フィーネ『私がいると回りに迷惑がかかるんです
私は誰かに愛される資格なんかありませんから』
ああ私はなんて女なんだろう
いつもそうだ自分を卑下してしまう
でもこれが真実であり現実だ
癒『高城さん』
フィーネ『はい?』
癒『それは違いますよ』
フィーネ『違わない』
癒『いいえ違います
貴女は人の責いにしてこなかった
確かに自分がやってしまった責任を他人になすりつけるのは良くない
ですが』
癒『他人がやった責任を何故あなたがそんなに重そうに背負うですか?』
フィーネ『それは』
癒『それはただあなたが勝手に背負っているだけじゃないですか?』
癒『あなたが何をしたんですか?
回りに迷惑をかけたと仰いましたがそれはどんな事ですか?』
フィーネ『それは・・・わかりません』
癒『いつの間にか自分が悪いと勝手に決めつけていませんか?
そんな事していたら貴女を大切に思っている人に申し訳ないんじゃないんですか?』
フィーネ『委員長は、悩みってありますか?』
癒『ありますよ、私にだって
まあ何かは言いませんが』
フィーネ『私なんて砂漠の砂の粒より多いんじゃないかなと思うぐらい多いですよ』
癒『それは流石にないと思いますが』
俺達は校門前でフィーネを待っていたが中々来ない
一体何が合ったのだろうか?
神器『おい時勇もう帰ろうぜ』
時勇『いや待とうじゃないか神器君
古代ローマで兎が亀を待っていたようにな』
月『いやセリヌンティウスとメロスでしょ』
殺『しかし高城奴遅いな
何かあったのか?』
確かに遅い
俺達と別れてからはあいつは一人だ
意気揚々な気分でいたがあいつは恐らく鬱病だ
何があったか知らないが鬱病の怖い所は良いことがあってテンションが上がっても
その後嫌な事があればその分倍の精神ダメージが帰ってくる
そうなると自信を無くすのは明白だ
大丈夫だろうか
いや信じようあいつはこれまでも何度も死の誘惑に打ち勝ってきたんだ
あいつは強い
待とう
時勇『大丈夫だフィーネは必ず来る
もう少しまってあげましょうか』
神器『たく仕方ないな』
月『まあまあそう言わず闇染君待てる?』
殺『無論だ』
フィーネちゃんは必ず来る
きっと
癒『そんなに悩みが多いなら私が聞き相手になりましょうか?』
フィーネ『へ?いいんですか委員長』
癒『ははは構いませんよ
生徒の悩みを聞くのも学級委員の役目ですから』
冷静癒さん
この人には時勇さん達と同じ気を感じる
何でだろう?
もしかしたら私と気が合う人は意外と近くにいたのかもしれない
フィーネ『わかりました
ありがとうございます委員長』
癒『癒』
フィーネ『へ?』
癒『名前でお願いしますね
フィーネさん』
フィーネ『はい!よろしくお願いします
癒さん、あそろそろ私行かないと
時勇さん達が待っているので』
癒『そうですかではそろそろお互い帰りましょう』
フィーネ『あそれじゃまた明日』
癒『はいまた明日』
そういって高城フィーネは教室を後にした
癒『さてもう一踏ん張りしますか
それにしても彼女笑えばとても可愛いのにな
もったいない』
時勇『フィーネ、やっぱり何かあったのかもしれん
戻るか』
ここまで遅いのはやっぱりおかしい
一度学校に戻ろう
月『そうね、ん?あれフィーネちゃんじゃない!?』
神器『まったく・・・待たせやがってあのバカ野郎』
殺『その割には嬉しそうだな』
神器『うるせぇ』
私は走った
もう四人は帰ってしまったのかもしれない
でも私は諦めない
あの人達を信じて走る
校門前まで走ると四人は待っていた
はあはぁはぁはぁ
嫌われるかもしれない
怒られるかもしれない
これが最後かもしれない
でも でも!
フィーネ『時勇さん!月さん!神器さん!
殺さん!』
そして私はゴールに着いた
フィーネ『はあはぁはぁはあはぁ、んあ~
はぁ~ごめんなさい!!
言い訳にしか聞こえないかもしれないかもしれないけど本当にごめんなさい!』
時勇『フィーネ・・・』
ああ嫌われた
ダメだ私は何でこんなに運が悪いんだろう
せっかく友達が出来たのに
せっかく最高の日々が始まると思っていたのに
時勇『大丈夫か?遅いから心配したぞ』
へ?
月『何かあった?
でも何かあっても私達はいつまでも待つから』
神器『お、俺も待つぞ高城』
殺『ふん嘘つけお前が真っ先帰ろうとしてた癖に』
神器『あ~殺てめぇそれ言うんじゃね!
高城今のは忘れろ』
あれ
何でだろう、涙が・・・止まらないや
ははははは
フィーネ『はははははははははは』
神器『おい高城お前何笑っ・・・て
てか泣いて~るのか?』
時勇『どうしたフィーネ何処か痛いのか』
フィーネ『いえ・・・大丈夫です、あはは何でだろう
なんで、なんで私泣いてるんだろう』
嬉しいのに涙が止まらない
神器『おおい高城大丈夫か!?
悪かったよそのお前の事待ってやれなくて』
フィーネ『いえ、そうじゃないんです
私今まで友達と呼べる人がいなくて
なろうにもすぐ失敗して友達になれなくて
それでそれでいつも落ち込んで』
この娘はずっと辛かったんだな
失敗しないように肩に力を入れて生きてきたんだな
殺『高城泣かないでくれ
神器だって悪気があって言ったんじゃないそれにこいつはお前の事を心配している
だから安心してくれ』
そういって殺はフィーネの手を取った
フィーネ『んんふ~・・はいわかりました』
時勇『落ち着いたか?
さてそろそろ帰るかフィーネ行こうぜ』
フィーネ『はい』
そういってフィーネは涙を脱ぐって満面の笑みで返事をした
俺は思った
フィーネにはきっと希望より友達が必要なのだろう
彼女が何が好きなのか何が嫌いなのかそれはまだわからない
でも俺はこいつを守りたい
こいつを見ているとかつての俺達の様だ
誰も助けてくれない
この世は地獄であり自分は一人なのだと
でも違った
俺は月と出会いゆかり先生と出会い
そして多くな人達と出会った
世界を平和にするのが、まだわからない
それでも俺はお前とこの道を歩いていきたい
私は思った
フィーネちゃんは昔の私に似ていると
自分の人生に絶望して明日が来るのが怖くて泣いていた
でもそんな私に手を差し伸べてくれた人がいた
その人は滅茶苦茶不器用で料理もあまり上手くなくて
でもとても優しく暖かい人だった
でもその人はいなくなってしまった
奪われた
大好きだった、愛してた
でも奪われた
だからフィーネちゃん
あなたには笑顔でいてほしい
まあ私のワガママね
俺は思った
高城は俺達は似ていると
俺達は力を持っていても誰からも愛せれなかった
それでも救いはあった
だからこいつにも報われてほしい
ただそれだけだ
俺は思った
高城フィーネは考えすぎだ
お前を嫌いにはならないし
嫌でもねぇよ
ただ自分の行動を肯定してくれる人がいなかっただけなんでよ
だから、お前が自信持つまで俺達がついてやるよ
しばらく歩いていると
フィーネ『あすみません私の家この近くなので』
そういってフィーネは少し寂しそうな顔で答えた
時勇『はははそんな顔しなさんな
明日がくればまた合えるさフィーネ君』
フィーネ『あははそうですね
すみません余計な心配させて』
フィーネ『それでは時勇さん月さん
殺さん神器さん』
またあした
そういって私は彼らと別れた
明日も皆に会える
そう思うと生きるのも
悪くないなと思った
時勇『おうまたな』
月『気をつけて帰ってね』
殺『帰ったら休めよ』
神器『無理すんなよ』
しかしこの時私は知らなかった
この後あんな事件に巻き込まれるとは
そして私の大嫌いな者に奇妙な形で出会うとは