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情緒桜城  作者: 山本大介
7/20

二、③

 

「さぁ、さぁ、間もなく、皆様おまちかねのハッスルタイムだっ、はりきって、はりきって、やっちゃって、やりきっちゃって、揉んで、触って、ラッキーハッピータイム、かみんぐすーんっ!」


「うふっ」


 くるみは隼人の膝の上に乗った。

 彼女のスケスケのキャミソールからはブラとパンツが丸見えで、お尻の柔らかい肉感に隼人は一時、今日の受難を忘れた。


「カウントダウン、レディ5、4、3、2、1、0っ!しっぽり、ぐっちょり、ずっぽし、楽しんで、楽しんでくださいませっ!」


 隼人は目のやり場に困るが、柔らかな胸がそこにある。

 据え膳食わぬは男の恥とは、このこと・・・もみもみ、ちゅぱちゅぱ(自主規制)、彼は名一杯楽しんだ。


 やがて、ハッスルタイムが終わる。

 途端に隼人の表情は曇る。


「お客さん、なんか元気がないわね」


「会社でちょっと」


「駄目よ、だったらここで発散しないと・・・ねぇ、延長する」


 くるみは上目遣いで隼人を覗き込む。


「じゃあ、お願いしようかな」


「やったー!お客さん延長します」


「かしこまり、かしこまり、お客様、延長、真にセンキューですっ!」


 黒服が、いちいちやかましい。


「じゃ、お客さんの話、聞いちゃおうかな」


「・・・そう、じゃあ」


 くるみの言葉に、隼人は堰をきったかのように話しはじめた。

 今日の散々な出来事・・・今までのこと・・・さらには夏菜のことまで。


 くるみはにこりと笑うと、


「お客さん、それっ彼女に慰めてもらいなよ・・・延長はいいわね。お客様、お帰りです」


「えっ、えっ、延長って言ったじゃーん・・・が、しかし所用なら止む無しっ!またのご来店を切に切に希望しますっ!」


 黒服のアナウンスが聞こえる中、隼人はなんともいえない表情で立ち上がる。

 くるみはぽんと肩を叩く。


「駄目だぞ、彼女を大事にしなくちゃ」


「・・・・・・」


 隼人は外に出た。

 夜の風がやけに冷たい、彼はトボトボと歓楽街を後にする。


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― 新着の感想 ―
[一言] すげーことしてるー。|ω・`) くるみちゃん、いいこですねー。
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