二、③
「さぁ、さぁ、間もなく、皆様おまちかねのハッスルタイムだっ、はりきって、はりきって、やっちゃって、やりきっちゃって、揉んで、触って、ラッキーハッピータイム、かみんぐすーんっ!」
「うふっ」
くるみは隼人の膝の上に乗った。
彼女のスケスケのキャミソールからはブラとパンツが丸見えで、お尻の柔らかい肉感に隼人は一時、今日の受難を忘れた。
「カウントダウン、レディ5、4、3、2、1、0っ!しっぽり、ぐっちょり、ずっぽし、楽しんで、楽しんでくださいませっ!」
隼人は目のやり場に困るが、柔らかな胸がそこにある。
据え膳食わぬは男の恥とは、このこと・・・もみもみ、ちゅぱちゅぱ(自主規制)、彼は名一杯楽しんだ。
やがて、ハッスルタイムが終わる。
途端に隼人の表情は曇る。
「お客さん、なんか元気がないわね」
「会社でちょっと」
「駄目よ、だったらここで発散しないと・・・ねぇ、延長する」
くるみは上目遣いで隼人を覗き込む。
「じゃあ、お願いしようかな」
「やったー!お客さん延長します」
「かしこまり、かしこまり、お客様、延長、真にセンキューですっ!」
黒服が、いちいちやかましい。
「じゃ、お客さんの話、聞いちゃおうかな」
「・・・そう、じゃあ」
くるみの言葉に、隼人は堰をきったかのように話しはじめた。
今日の散々な出来事・・・今までのこと・・・さらには夏菜のことまで。
くるみはにこりと笑うと、
「お客さん、それっ彼女に慰めてもらいなよ・・・延長はいいわね。お客様、お帰りです」
「えっ、えっ、延長って言ったじゃーん・・・が、しかし所用なら止む無しっ!またのご来店を切に切に希望しますっ!」
黒服のアナウンスが聞こえる中、隼人はなんともいえない表情で立ち上がる。
くるみはぽんと肩を叩く。
「駄目だぞ、彼女を大事にしなくちゃ」
「・・・・・・」
隼人は外に出た。
夜の風がやけに冷たい、彼はトボトボと歓楽街を後にする。