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情緒桜城  作者: 山本大介
6/20

二、②


 夜の店が立ち並ぶ歓楽街を隼人は足早に歩いていた。

 煌々と看板のネオンが灯るランジェリーパビリオン「バロン」で足が止まる。

 すぐに呼び込みに捕まる。


「今日もいい()いますよ~、どうですか、ちょっと寄って行きません?」


「くるみちゃんいる?」


 隼人は慣れた口調で言った。

 だが、本当は3回目で、二度ほど接客を受けた女の子の名前を言っただけだった。

 今日は、何もかも忘れてしまいたい、彼はそんな気分だった。


「ああ、常連さんでしたか。今日は来ていますよ。人気な娘なんで今、接客中かも・・・ご指名しますか?」


「ああ、頼みます」


「はい、一名様ご案内~」


 ランパブに入ると、薄暗くミラーボールが妖しく煌めている。

 ノリの良いユーロビートが流れる中、黒服のアナウンスが響く。


「お客様、一名様、あっ、一名様、18番テーブルにご案内、ご指名は人気№3のくるみちゃんだ。くるみちゃん、くるみちゃん、18番テーブルお願いしまーす・・・」


 鼻に抜ける独特な声で、黒服のアナウンスは続いている。

 ほどなくして、隼人の座るボックスにくるみが来た。


「いらっしゃーい、ご指名ありがとう。くるみです♡」


 くるみは隼人の隣に座ると、すぐに密着してくる。


「常連さんじゃ・・・ないね。何回か会った?」


「2回かな」


「嬉しいっ!ありがとー」


 くるみはそう言うと、隼人に抱きついた。


「何飲む?」


「じゃ、ビールで」


「ビールお願いします」


 くるみは注文する。


「ルービー入りますっ・・・ヘネシーでもオールオッケイ!」


 黒服がすかさず、アナウンスを入れた。


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