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自衛の国  作者: 榊原 色
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買い物

「おはよう。」


「...ああ、うん。えっと、おはよう。」


また反応が遅れた...。


セーラー服のような落ち着いた勝色のワンピース。襟はセーラーの形を保ちながら丸く、1本の白いラインが入っている。短いネクタイのようなものもついている。こちらの色は白だけだ。

何度見てもここの制服はきれいだと思う。

自分がいた学校がありきたりな紺色2本ラインのセーラーだっただけに同じセーラー基調でも輝いて見える。


「来週卒業式だよねー。終わったらどっか行く?」

「いいね~。」

「駅の近くのお店どっか予約しとこうか?」

「あ、じゃあお願い!えっと、何人?」

「うーん。なるべく大人数のほうがいいなー。」

「じゃあ聞いてみるか。」


「卒業式の後駅の近くに食べに行くけど来たい人~?」


あちこちから声がする。

大人数で時間をかけて食事をしてなにが楽しいのだろう?

料理は冷めるし自分が食べているとこを見られていい気はしない。

それに時間の無駄だ。食事は消費した分エネルギーを摂取するためのもの。騒ぐための時間ではない。

食事に無駄に金と時間をかけるのは人類皆共通なのだろうか?


「カエデは来ないの?」


「...え?あ...私?」


「うん。カエデは来るの?来ないの?予約したいから人数が知りたいんだ。」


「えっと...、私は...行かない。」


「そっか。残念。」




「カエデ変わってるよな。日本では食事は大人数でしないのか?」


するわ。偏見持つな。というか私を日本代表みたいに扱うな。


「いやー、俺が前見たテレビではしてたぞ。」


そうだそうだ。


「あいつが変わってるだけじゃないのか?」


は?今言いましたよね?変わってるって言いましたよね?あなたは人に聞こえないように会話するってことを知らないんですか?


落ち着け、むきになってどうする?何にもならないだけだ。



「ねえ、カエデさんは今日予定あるの?」


髪の毛が長め日本美人とでもいうべきだろうか?


「うんん。ないよ。どうかした?」


「えっと...よかったらちょっと付き合ってほしいなって。私行きたいところがあるんだけど1人じゃ行けなくて。.....だから一緒に来てくれると嬉しいなって思って。」


かわいらしい。控えめな子で落ち着いた感じの子だ。


「うん。いいよ。制服でいく?それとも私服に着替えてから?」


「私家が遠いからできれば制服のままがいいな。」


「わかった。時間は?」


「学校終わったらそのままでもいい?」


「うん。いいよ。じゃあ学校終わったら下駄箱あたりで待ってるね。」


「うん。」


体の向きを変えるときの黒髪の動きが綺麗だった。


――――――――――――――――――


「ごめん、待たせた?」


「大丈夫、だよ。それに誘ったの私だし。」


「行こうか。私ここあまり詳しくないから今日行くところの説明お願いしてもいい?」


「うん。えっとね、アクセサリーを売ってるんだ。ハンドメイドで、少し他のところよりは高くなるんだけど作りは丈夫だし簡単には壊れないんだって。それに見た目もおしゃれだし、デザインも飽きが来なくてシンプルで丈夫なんだって...、あ、えっと、」


「大丈夫。落ち着いて。」


「そのアクセサリー屋さんは丈夫でおしゃれでハンドメイドってことであってるよね?」


「うん...」


「あ、あのさ、1つ聞きたいんだけどいい?もしかしたら1つじゃないかもしれないけど...。」


「うん。」


「日本ではみんな髪の毛が黒いの?」


「うん。」


「そっか...。私も日本に行きたいな。」


「なんで?」


汚職問題はあるし税金は無駄に高いし平等じゃないし治安がいいとは言い切れない。少なくとも妖が出る前のアステの方が治安はいい。


「楓ちゃんは知らないかもしれないけど、ここ(アステ)での髪の毛が黒いのって珍しいんだよ。大体は茶色なんだ。」


「そうなんだ。日本ではその逆。わざわざ髪の毛を茶色に染める人もいるくらい。」


「そっか...。」




「あ、ここだよ。着いた。」


「...綺麗なお店だね。」


「入ろう。」



キラキラとした夜空のようなでもそれでいて落ち着いていて綺麗で、なんかほんわかする。

なぞの安心感と落ち着きを与えてくれる。


「楓ちゃん...どうしたの?」


自分がずっと見入っていたことに気づいた。


「あ、うんん、何にもない。すごいなーって思って。」


「そっか。選んでいる間待ってもらうことになるかもしれないんだけど...」


「大丈夫だよ。そこらへんの棚見てるね。」


実際この店のものはどれもが輝いて見えてどれも見てみたい。




夜空に輝く星みたいな、それをこの店のコンセプトにしているのだろうか?


とても、綺麗で、作品に深みがある。





「...楓ちゃん?聞こえてる?」


「へ?あ、えっと、何?」


「大丈夫?」


「あ、うん。大丈夫。見てただけ。」


「これとこれどっちがいいと思う?」


青と水色が混ざり合ったような背景に白い小さい輝きがいくつか入っている三角形の髪留め


もう1つは少し落ちきのある黒と青が混ざったような澄んだ色の正20面体のぶら下がるタイプのイヤリング


「私はどっちもきれいだと思う。えっと...」


「名前、なんて言うの?」


「えっと、これの?」


「うんん。あなたの、名前。私知らない...」


「あ、えっと、コノン」


「コノンちゃん?は髪留めとイヤリングどっちが欲しいの?」


「えっと...イヤリング、かな。でもこの髪留めのデザインも好きなんだよね。」


「...ここってハンドメイドだよね?ってことは店主さんに言えばそのデザインのイヤリングも作ってってもらえるんじゃないのかな?ほら、ここにもそうやって書いてあるし。」


目についたポップを指さす。


"あなたの好きなデザインでおつくりします

もし、店内にある商品で好みのデザインがない場合はその商品と同じ金額でお客様の好みにあわせたデザインでおつくりします。"


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