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自衛の国  作者: 榊原 色
4/9

青紐

きりがいいので少し短めです。


しまった。

ばれるかと思った。

今回だけは政府に感謝する。


――――――――――――

「ここで合っているらしいよ。」


「わざわざありがとうございます。」


「僕はさっき受け付けも済ませていたからこのまま入るけど君一人で大丈夫?」


「大丈夫です。ありがとうございました。」


「うん。じゃあね。」


手は振らずに軽く笑ったまま入り口に消えていった。後ろで1つにまとめた長い髪がしっぽのように動く。猫なら間違いなく反応していた。

楓を事故から救ってくれただけでなく施設の位置まで教えてくれた。親切な人だ。


「あの、失礼ですがこちらは一般の方の立ち入りは禁止しております。」


しょうがない。この見た目に加え今日は休日だ。無理もない。

無言で指輪と封筒を見せる。


「失礼いたしました。契約者の方で間違いはないでしょうか?」


「はい。」


「では館内ではこちらのカードを常に首から提げていて下さい。本日の説明会の会場は本館2階の一番奥の部屋になります。係員がいるのでその者の指示に従ってください。」



41009と書かれた紙が入った青紐のIDカードホルダーと地図を渡された。さっき受付係の人が言っていた会場は青色で示されており、それ以外のいくつかの場所は濃いめの灰色で示されている。それ以外は部屋、廊下の存在はわかるものの何のための部屋かすらわからない。あそこの階段を昇ればいいのだろうか?何分自他ともに認める方向音痴のため地図を見ても詳しいことがわからない。何かあれば係の人がいるし立ち入り禁止の札があればそこで引き返せばいいだろう。方向音痴ではあるが一度通ったところとそうでないところの区別はつく。要は地図が読めないだけだ。


周り見ると赤紐の人も数人いる。紐の色は年齢、性別には関係ないようでただ数がそろえれなかっただけなのかそれとも別の意味があるのかはわからない。ただ、現状関係はなさそうなので少し回りをみてから会場に向かおうとして気づく。


自分がどこにいるのかがわからない。


あいつに聞くしかない。


「....っ!」


思い出した。さっき聞こうとしていたことが何なのか。


私はあいつの名前を知らない。


それに指輪の雰囲気がいつもと違う。耳を近付けると機械の音がする。


水の中でもがいているような音だった。



とりあえず進むしかない。

何をすればいいのかわからないのであればとりあえず進む。

とにかく進むしかない。

たとえそれが間違った方向でもそれが間違っているということがわかるだけだ。

決して無駄でない。

何もせずに助けを待っているのは愚かな者がすることだ。




なぜだ?

妨害電波でもあるのか?それとも電池切れか?政府からもらった取扱説明書(とりせつ)には電池なんて書いていなかった。微量の振動により充電されるから普通の生活を送っていれば問題ないはずだ。むしろここに来るまでに走ったから充電はフルでできているはずだ。ならば電波の方か?ここの国は常に電波が飛んでいるためネットにもすぐに繋ぐことができる。

この施設が特別なのだろうか。




「失礼いたします。封筒とリングの御呈示を願います。」




.....考えていたら会場についていた。


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