信号
前回のと合わせて1つで投稿する予定でしたが長くなってしまったので2つに分割しました。
右右前前左前右前前
「次を右だそしてその次を右。」
「いちいち言わなくても覚えてるから大丈夫。それよりもルート検索に集中して。えっと...」
「何かあったか?工事ならしてないはずだが。」
なんだったけ?何か聞こうとしていた。ずっと気になっていたことなんだけど...何だっけ?
「...何でもない。」
「わかった。」
今は走るのに集中すればいい。それだけだ。
「訂正。次は前じゃなくて左だ。」
左前左前右前前
信号を2つ曲がる。
「いくぞ。前前前左右左右前右」
左前右前前前前前左右左右前右
「それで全部?」
「ああ。それにしてもすごい記憶力だな。」
「学力留学だから。少なくとも平均以上はある。」
「次の信号を通ったら赤になるから少し休めそこが最後の信号だ。」
「いい。少しペース落としてこのまま走る。あとどれだけで着いてどれだけ待つ予定?」
「そこの看板を通過してから30秒で着いて40秒待つ。」
「わかった。」
ペースを落としても歩みは止めてはいけない。
一度止まったら進めなくなる。
いつの間にかわからなくなる。
「楓、楓、止まれ!死ぬぞ!止まれ!楓!」
「えっ?」
腹部に衝撃が走る。目の前が黒くなり風が吹く。
「急にすみません。大丈夫ですか?」
どうやら通行人につかまれて車に轢かれずにすんだらしい。思考が止まったままだ。
「...あの?これ貴方のですか?」
目の前に見覚えしかないリングを出される。
「え?」
左手を見る。
「あ、いえ。違います。」
「そうですか。」
「あの、すみません。ありがとうございます。おかげで助かりました。」
「怪我はない?僕もずいぶん乱暴な止め方をしちゃったけど。」
「いえ。大丈夫です。どこもいたくないし怪我もありません。」
「なら良かった。」
「あのさ...もしかしてこのリングと似たようなもの、というか同じもの持ってるよね?」
知っているのか?これは一般の人には存在を知らせてはいけない物だ。でも時速20~25kmの自分を止めれたということは一般の人ではない可能性が出てくる。ここは正直に答えるべきだろうか。
「...はい。なぜそれを?」
「僕も似たような物を持っているんだ。この方向にこの時間急いで向かうのは契約者いがいないと思って。さっきのリングは鎌かけだったんだけどね。」
「私は契約者ですがあなたも...?」
「うん。まあそんなとこ。」
笑っている顔がすこし眩しい。
少し誤魔化されているような馬鹿にされているような気もする。
「施設っていうのは多分この建物だと思うんだけど。」
「この会社、というか研究所みたいなやつですか?」
「うん。ちょっと待ってて。こういうのは子供よりも大人が行った方が話がつきやすいから。」
理不尽だ。高校生なのに。




