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自衛の国  作者: 榊原 色
2/9

予定時刻

少し短めです。次回のと合わせて1つで投稿する予定でしたが長かったので2つに分割しました。

アステは季節の変化があまりない。四季はあるがそれほど寒くも熱くもないため日本よりは過ごしやすいと感じる。それでも冬は寒い。

「バスまだかなー。」

「もう予定時刻10分以上過ぎてるぜ。」

「ここの国渋滞はそんなにないはずだけど...」

「「あ。」」

楓が見ていた時刻表は平日用だった。今日は土曜日。二人はこのバスで施設に行けばぴったり間に合うと考えていた。だがバスの時刻表を見間違ええていた。この先に待っているもの、それは

「...遅刻する。」

「いそげ楓。お前なら走れば間に合うかもしれない。」

「いや無理でしょ?走っていける距離ならバス使わないって!」

「今俺が最短ルートを見つけた。そこを通れば間に合うはずだ。」

「それ計算上でしょ?しかも何枚の塀を破壊して何件の屋根を通る計算なの?」

「...知りたいか?」

嫌な予感がする。そもそもここは住宅地だ。

「あともう一つ、いいお知らせがある。」

この急いでいるときに相変わらずの能天気だ。

「何?」

「正しくは2つだ。少し良い方とどうでも良い方どっちから聞きたい?」

「良い方から。」

「まず俺たちがもらった手紙の集合時刻に誤りがあったという連絡が施設の担当者から届いた。次にどうでも良い方は俺たちが出会ってから今日この時をもってちょうど1週間だ。正しくは10秒遅れているが。」

本当にどうでも良い。

「だから言っただろ?どうでも良いって。」

「それで、正しい時間はいつなの?」

「5分後らしい。」

「5分後?それは集合時間?」

「ああ。だがこの誤りのせいでまだ誰も到着できていない。だから1時間遅れの13:00になった。」

「どっちにしろバスあと30分来ないんだけど?」


今楓達が乗ろうとしている、正しくは乗るはずだったバスは30分毎に1本しか目的としている施設に着かない。そしてバスでの移動は30分かかる。その後下車してから10分近く走らなければ着かない。

今日施設に向かうのは、政府から追って送られてきた手紙によると楓のように契約を結んだ人達を地域ごとに集め説明等を行うため、らしい。場所と下車駅は知らされたものの肝心の施設の名前は教えてもらえていない。天然かわざとか。


仮に今からバスの通る道を全速力で休みなしで走ったとしても40分はかかる。そしてそこから予定通りの10分。ぎりぎりだ。しかもこれは信号や通行者を一切考えていない。

とりあえず楓はストレッチをする。

「...おい、楓?聞こえてるか?楓?」

「......ん?なに?」

「結論が出た。楓は考え事をしていると周りの音が聞こえなくなる。」

「知ってる。」

だから1人のとき以外はしないようにしていたのに、やらかした。こいつ(ゆびわ)のことを全く考えていなかった。

「今からバスの通り道の通りに走って下車後の10分を加味しても55分あれば着ける。」

「それ本当か?」

「うん。ただし休憩と信号は考えていない。」

「それぐらいなら俺がどうにかして常に青信号を通れるように通り道を調整する。」

「了解。じゃ、行くよ。」

「ああ。任せておけ。」




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