プロローグ
新連載です。週一くらいで頑張ります。
目が覚めるとそこは雪国だった。
どこまでも続く雪
どこまでも続く空
見渡しても、目を凝らしても
何も見えなかった。
誰も居なかった。
「ここは」
どこだ?
誰ともなく問いかける。
答えなど帰って来るはずはないと分かっているのに。
「私の夢よ」
突然、背中から声が聞こえた。
誰も居ないはずの空間で声が響いた。
いきなりの事に心臓が止まるほど驚いた。
私はゆっくりと声のする方向へ振り返る。
少女が居た。
くるぶしまで届く長いワンピースは長袖で、手袋と靴下とで足も腕も肌のすべてを覆っている。首元に巻かれたマフラーも、履いているローファも、全てが真っ白だった。全身が白一色だった。
足元まで伸びたツインテールだけが淡い水色に光っている。
肌の中で唯一見えるきれいな顔も、美しいほど白かった。
ただ、目の色は碧色で、唇には濃い紫のルージュが引いてある。
少女というにはあまりにも艶めかった。
そしてこの顔には見覚えがあった。
よく知っている顔だった。
「ユキさん」
少女は笑った。
見慣れた笑顔だ。
何かを諦めたような寂しい笑顔だ。
「ありがとう、ミズキ」
名前を呼ばれて緊張していると、ユキは両手を広げて近づいて、私の頬を挟んでからそっと、顔を近寄せた。
「これからもずっとずっと、永遠に私をヨロシクね」
目の前の美しい顔に息を飲み込む。
ユキの唇が私の唇に重ねられた。
「また逢いましょう」
唇が離れるとすぐに、私は意識を失った。
登場事物
・ユキ
・ミズキ