プロローグ
文章力なくてすみません。前からなろうに興味があったので、書いてみることにしました。亀更新になるかもしれませんが温かい目で見守っていただけると幸いです。
1930年、2月ー
ロンドンで開かれていた軍縮会議は、決裂の危機を迎えようとしていた。
「我が大英帝国の破棄艦が五隻で、日本はたったの一隻だと?そんな不条理がまかり通るはずがなかろう!」
この会議の開催を提案したイギリスのマクドナルド首相だが、流石にこの提案は腹に据えかねたらしい。声を荒げ、日本代表の若槻禮次郎に詰め寄っていた。
「まぁまぁ、落ち着いてください。度重なる軍事費の増額で、我が国の財政も疲弊しきっているのです…かといってこれ以上戦艦を減らされては、海軍が持ちません。何かいい案は…」
詰め寄られた若槻も、困り果てている。
そこに、颯爽と現れる第一種軍装の影が二つ。
「イギリスには、世界大戦の骨董品が溢れているでしょう」
「戦艦建造禁止措置などというケチくさいことを言わず、その骨董品を置き換える、代艦の建造を認めてはいかがでしょうか」
「さっきから黙って聞いておれば無礼な!誰だ貴様、名を名乗れ!大英帝国の戦艦を侮辱しおって、ただではすまんぞ!」
「山本五十六、階級は少将。航本部長をやらせていただいております」
「軍令部第二課所属、山口多聞。階級は中佐」
一度案が出されると政治家というのは実に単純なもので、尻に乗っかりトントン拍子に話が進むものである。迎合、忖度が政治家の得意技というのは、今も昔も変わらないらしい。
「ワシントン条約と同じように代艦建造を認めてはどうか、と提案をさせて頂きます」
「しかし、現在ここにいる国々の老齢戦艦は、主砲口径12インチの弩級戦艦から、精々15インチまでです。ワシントンの時と同じように16インチ砲搭載戦艦を認めるのは逆に軍備増強になってしまうのではないでしょうか」
「では、主砲口径14インチ以下を制限として設けましょう。排水量制限などはワシントンと同様でよろしいですね?」
「日本のコンゴウ・タイプも我が国のワイオミング・クラスも排水量は30000t強だ。35000tを制限として設ければよかろう」
「では代艦建造に関しては、艦齢20年に達した艦の代艦を建造することを認め、制限は基準排水量35000t、主砲口径14インチ以下で宜しいですか?よろしければ次の議題に移りましょう。巡洋艦、カテゴリーAの制限に関して…」
こうして、ロンドン海軍軍縮条約は山本五十六と山口多聞という、二人の海軍士官の手によって無事締結される運びとなったのである。主に補助艦の制限について規定したこの条約において、例外がこの代艦建造規定であった。
いかがだったでしょうか。次回投稿がいつになるかわかりませんが気長に待っていただけると幸いです。