3話
イルミネーションに照らされながら、クリスマスディナーとケーキを取り囲んでいた他の六人は無表情で正邪を見つめ続けている。
アリスと…六体の人形。
クリスマスに、人形とディナー食べてるぅ。
その光景をみるなりせいじゃちゃんは心の中のメーターが未だ到達したことの無い場所に傾いたようにを感じた。哀れで滑稽な光景のはずなのに、なにかそれ以外のえもいわれぬ感情。
「あら、せいじゃちゃんか。めずらしいわね」
屈託の無い笑顔のアリスを見た時、正邪は不思議と直感力がさえ、何かを我慢しているのでは無いかと疑い、思いに動かされて顔をのぞき込む。しかし、アリスの瞳は公明正大に輝いていた。
つまり、と正邪はこの状況に対して以下のように結論付ける。
彼女にとってこれが日常なのだ。この天邪鬼から為て凍てつかせる孤独だが、彼女にとってはなんの疑問も無い日常なのだ。
自分が操る人形六体とクリスマスディナーを囲むことに、なんの疑問も持たない。
自分が操る人形と、自分が用意し、おそらくは自作であろうプレゼントを交換し、開けても良いかとか、わくわくするとか、そういうナンセンスな事を言うことになんの戸惑いも無いのだ。
ああ、アリス。アリス。
気がつけば眼前のアリス顔は怪訝そうに曇りその瞳はこちらの意をはかるように見つめている。
そして、手には奇妙なぬくもりがある。不審に成って見てみると自分の手がアリスの手を強く握っていた。
いつもと逆だ。手を握られて嫌な顔をするのは自分の役目なのに。
くそっ、好事魔多しだ。




