うるさい隣人
「おっはよ〜!!」
突然、曇天の空に似合わない明るい声で挨拶された。
「ん。」
無愛想だと自覚しているがこれでいい、と僕は思う。
「相変わらず元気ないねー。どうしたどうした??」
朝からかなりハイテンションな隣人が声をかけてきた。それを無視していたら
「つれないなぁ。そんなんだから全くモテないんだよ、富士見くんはー。」
全く、モテなかったとしたらどうなるんだと言いたい。モテるモテないが人生を左右するのなら僕はそんな人生を捨ててやりたい。そんなものより騎士道や武士道とかに人生を捧げたい。
「まぁ富士見くんはそういう人だよね〜、どこか冷た〜い視線というか他人風?というか。」
「人生を達観してるって言ってくれ。」
「そんなに人生経験積んでるっけ??本当に私と同い年なんだよね??」
あぁ、そうだよ、という風に僕はうんざりそうに窓の方を向いた。運動部の連中がグラウンドを走っている。大変人騒がせな奴だ。
「ねぇ、有明さん、昨日のドラマ見た??」
「ん??あー、うん、見た見たっ!!面白かったよね!それでさー、…」
誰かに話しかけられて五月蝿い奴は廊下の方に消えていった。ふう、これで束の間の休息を得られる…。
まぁ、ああも五月蝿くなくてもいいが、人騒がせな友達は一人二人いても別にいいんじゃないか、とは思ってる。まぁ居すぎてもらうのも良くはないけどね。こういう奴らには適当に駄弁りに来て適当に帰って行ってもらいたい。そんなこと言う度胸も意志もないっていうのが一番可笑しいのだが。
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投稿ペースは不定期です。のんびりやってきます。(モチベよ、持ちこたえろ…)