異世界に流されて?
えー、どこまでが三途の川で、どこからが異世界の川だったのでしょうか。
どんぶらこ どんぶらこ
流されて、拾って(助けてくれたのは)おばあさんではなく、可愛いお姉さんでした。
ある意味ラッキーかな?
「あなた、なんでこんな川で泳いでいるのよ! 今の時期、この川は、水が増水して流れが速くなって危ないのは子供でも知っていることでしょう。あっ。もしかして自殺? それじゃあ、助けたのはまずかったのかしら?」
いきなり、まくしたてたかと思うと、勝手に完結してしまっています。
川に戻されそうになって、慌てて抵抗します。
こちらは、溺れた後遺症で、まだぜぇぜぇ言っているのに待って下さい。
「いえ、気が付いたら溺れていたのです。助けてくれてありがとう!!だから戻さないでーーー!」
ふっと、掴んだ彼女の手が離れ、思い切りお尻を打ったけど、兎に角川に戻されなくすんでほっとした。
「冗談よ。ちなみに、それ、三途の川よ。死んだ人が、死後の世界でもう一度死ぬなんてことありわしないわよ」
へっ? きっと今の自分、利き手の反対の手で無理やり描いたような変顔だ。異世界に転生じゃないのか・・・・?
「時々いるのよね~。三途の川を泳いで渡りたいという脳筋が。でも、あなたは、ちょっと違う感じがしたのよねー。もしかして、どじっこさん?」
「違います!!」
間髪入れずに否定させていただきます。
それは、かくかくしかじかです。
「あらら~。あの人ったら、また悪い癖が出たのね。ごめんなさい」
「いいえ。あなたが悪いわけではないですので。ところで、あなたとあちらのご関係は?」
「ああ。夫婦よ」
じょ・じょうだんですよね?
「天帝の紹介であった時は、牛飼いで真面目な人だったのだけど。だんだんちょっとね・・・。そうそう、私は織姫と呼ばれているわ。よろしく」
へっ? 織姫で、旦那は元牛飼い?
それって・・・七ば・・、まさかね。
「あら。あなたの服に何かついているわよ。どれどれ」
えっ? 何か変なモノがついているのか?
「まあ、あの人からの手紙だわ。 しょうがない人」
何時の間にあのおかま神ーーー!!
「ふふ、あの人ったら相変わらずなのだから。うふふふ」
なんだか疲れが~。寝落ちしていいかなぁ? 現実逃避していいかな?
「あなたの名前は?」
「神代 長流です」
「そう。神代 長流ね。あの人からの手紙にも書いてあったけど、希望は異世界の転生でいいのかしら?」
「えっと、いいのですか?」
「ええ。大丈夫よ。私にもそれぐらいはお安い御用だし。何より彼からの手紙を届けてくれたしね。天帝もひどいわよね。一年に一回は会えるようにしてくれるということだったのに、彼が牛飼いから出世して、階級が上がるにつれて、仕事が忙しくなって、もう100年近くもまともに顔をみていないのよ。手紙だって、なかなkだしーーー。あらごめんなさい。つい愚痴ってしまったわ」
なんか知りたくないことまで知って、イメージの崩壊が・・・。勘弁してくださいー、織姫様。
「お詫びに、チートとかいうのを沢山付けておくね。魔法と剣の冒険。そうね、魔法は全種類をつかえるようにして、武力も神級まで使えるようにしておくわね。ただ、行き成りは使えるようにはならないから、しっかり努力して頂戴」
わー。それでも超嬉しい。いろいろ不幸だと思ったけど、案外ラッキーだったかも。
さあこんどこそ本当に異世界転生です。