おかまな神様
ブラックロリータ姿、ツインテールの銀の髪にくりっとした瞳は甘いブルー、つんとしたこじんまりとした鼻につややかな唇、とにかく物凄く可愛い少女。大きな鎌を左手に持っていることから、死神だというのは想像がつくが、彼女いない歴歳の数であり、ゲームの中のキャラしか愛せない自分でも惚れてしまいそうなぐらい、もろストライク。
そんな彼女に、服の裾をつんと引っ張られて、小鳥のさえずりのように名前を呼ばれ、「あなたは、死にました。これから私について来て下さい」なんて言われると、胸どきゅーん!! 鼻血どびゅーん!! 「はい」としか言えない・・・。
もう、思わず死ぬことに、抵抗がなくなってしまうぐらい・・・、幸せです・・・。
「うふふふ。それが、ねらいなんですよ」
えっ?
「確かに、死神ちゃんはとーても可愛いですが、死神ちゃんばかり見てないで、前もちゃんと見て下さいね」
うっ!?
慌てて視線を斜め前の死神さんから真正面を向くといました。
お・か・ま・がいました。
なんて、おぞましい。厳つい男性に、純白のふりふりドレス。最強に目に毒です。
「ひどい・・・。こんなに乙女な私に、おかまだなんて!!」
泣き崩れるおかま。そして、両手にこぶしを作り、いかりのポーズ。
何やら呪文付き・・・・・・。
ぴかっと辺りが光ると、あら不思議。俺の着ていた学校の制服がピンクのふりふりがついたロリータの衣装に早変わり。
お~まい・ごっ~ど!!
がっくしOrz
「ふふふ。これであなたもお仲間よ!」
お願い、高笑いをしながら、指をさしてふんぞりかえらないでください・・・。
「ごめんなさい」
しくしくORZ
「まあ、冗談はここまでにしましょう」
本当に冗談でしょうか? ちらりと死神さんを見て目の解毒。
「冗談に決まっているでしょう。それより、私は神様なんだからもっと敬いなさい」
がっびょ~ん!? うそでしょう??
アンビリ~バボ!!
「失礼ね」
お願い、小指を立ててしなを作らないで・・・。
「最近は、わがままな者が多くてね。死ぬつもりはないからこのまま生き返らせろ。金なら幾らでも払うから元に戻せ。これは昔からよくあったけど・・・、近頃は、死ぬ時にいろいろ注文を付けてくるのよ。チートくれないならあの世にいかない。異世界に転生しないなら、ここに留まる。などなど。もうめんどくさいから死者の好みに近い死神が、あの世に取りあえず連れてくるようにしたの。これが大当たり!! 死ぬのをぐずる人が居なくなって万々歳よ。一度黄泉に来た魂は、強制的に転生が可能だから、仕事がはかどるはかどる。お~ほほほ」
「高笑いの神様? それで、これから俺はどうなるのでしょう?」
「どうして欲しい?」
「最低の人生でなければなんでもいいです」
「まぁ! 欲がないわね。 みんなここぞと言いたい放題なのにめずらしいこと」
我儘言って、最悪な人生になりたくないです・・・・
「ふふ。心の中なら大丈夫と思ったでしょう? でも、残念でした! 心の中で思ったことも考えたことも全て私にはオミトオシなのよ」
おちゃめにウインクをする神様。はっきり言って怖いです。
「失礼ね・・・、ぷんぷん」
「ごめんなさい!! ぜひお慈悲を~」
土下座で速攻謝ります。
「いいわよ。許してあげる。その代り、あなた私のおもちゃにしてあげる。近頃流行のチートを付けて、面白い人生が送れるようにしてあ・げ・る」
そういって、神様が呪文をとなえると、三途の川? が俺の方に向きを変えてざばんと来て押し流した。
えっ・? 行き成り転生!! しかも、おかまの神様のおもちゃなんて怖すぎる~!!
ちょっと待ってく~だ~さ~~い!!
あっぷ あっぷ
お・ぼ・れる~~~・・・。