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黄昏の風



《黄昏の風》




生まれ来た全てを風は包み

大樹の刻む年月を讃える


地平に沈む陽を見送れば

小さな家にも射す月明かり


尾を振り駆ける仔猫にも

罪無き血を流した兵士にも


帰る事を 許された

懐かしい季節の待つ場所



生き死ににて繋ぐ命の旅に

無惨な歴史は影と為り添う


降る雨に打たれ嘆く嵐の宵に

崩れた古塔にも点る護りの火


斃れし者に注ぐ記憶の海に

微笑む人が居る幸福を祈り


時の鎖を離れ 行方は知れずとも

大地の褥は命の名残を確かに懐く



善良なる者も

影帯びし者も


その存在を許されて

生きて去るは 命溢れる星



生まれ来た全てを風は包み

消え行く白煙を空へと還す


地平を射貫く太陽が輝けば

小さな躰も温もりに触れる



今日も――





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