銀の森に憩う月

Fool

《Fool》

振り解く虚無なる闇に

最たる愚手が火を点す

永劫不滅の在り得ぬ夢

着飾る腕で飛び込む祭

美醜に憑かれた歌姫の叫喚(サケ)ぶ

愛無き世界の牙城を落として

鋼鉄の意志も捻じ曲げたなら

眩い炎の中で踊り明かすのよ

嗚呼 名も無き我は

金の英雄ではなく 愚者たり

千の知恵を募ろうとも

決して辿り着けぬ境地に在り

廻る星の死が放つ

彼方の爆光に託した祈りも

全て覆す陽気な気概と歩調で

踊るFoolよ 世界を廻せ

惨憺たる荒れ野に一人

最たる愚者が陽に当たる

あらゆる思考を超越した眼に

無限なる名の可能性を秘めて