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小宇宙と月の歌
《小宇宙と月の歌》
微かな 白く穏やかな灯
開いた瞳の 隠れた何処かに
和らぐ空色は
深い紺碧の夜へと沈み
風は一瞬の沈黙
電子の音楽が聴こえる
愛在る 小さな世界の扉を
閉ざした儘だから哀しいのね
届かぬ言葉を 数えては
冷たい吐息を
言の刃に変えて
砕けた真珠の砂漠を行く
月明かりに煌めく輝きを拾い
宇宙の ほんの一欠片で在り
此の魂もまた 無限の宇宙
小さくとも 果て無き宇宙
妙なる調べは 鼓動と共に
月の満ち欠けに 秘める歌
微かな 白く穏やかな灯
隠した心を誰か
見付けられるかしら
小さな宇宙の深遠に
そっと触れられるかしら