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天晒し
《天晒し》
掬い上げた 時の雫
ほんの少し 飲み干して得た
救い上げた 忘れ去った記憶
魂の奥底に そっと眠らせて
空には 陽と 雲と 風
熱と色彩の終り無き舞踏は
絶えず 絶えず 絶えず――
遥かより 降りる光の束に
揺り起こされる熱き血潮
織り成す命の ほんの一瞬
讃えよ 何も掴めずとも
誇れよ 何も解さずとも
全て天晒し 人を生き
負うも 抱くも 望むが儘に
全て天晒し
恥じる勿れ 誇らしき人
風が吹けば 明るき方へ
星が降れば 暖かき朝へ
余さず天へと晒したら
迷う勿れ 微笑む人よ