78/100
光集う場所
《光集う場所》
時の流れ 久しく纏い
澄みし孤独へ仕舞う心
遠く はぐれ夜の空に
光る祝門 今は何処に
世を外れ 等しく見定める
その全ての在り方を
太古より造られ続けた路と
路の齎した争いと
野を颯爽と駆ける騎影に
悠然と過ぎ去る白雲
光の集う場所へ
向かう光を追いながら
光の集うその場所へ
行けぬ光を懐きながら
神の名を巧妙に騙り
幸福へと誘う手
奇しくも絡む蔦の葉に
落ちる陽暮れ迄を背に
広く語らう胸の内には
無名の創生を数多と描く
それは闇夜を照らす月の様
引力に惹かれながら
なれど何処へも行けはしない
苔生す塔は崩壊を待ち
澄みし心を只 内に秘す
時の落す 羽根を纏いて
夜明けを負い 歩き出す