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無限の庭
《無限の庭》
河の向こうは永遠なる環の始まり
夕陽の緋色に全てが染まる瞬間に
宵の門を叩く月の手を借り無限の庭へ
風の音が導く儘 魂の記憶を鍵として
河の向こうは命を阻み対なす世界
生死の弦を爪弾き宇宙に捧げる縁
流れ去る水に委ねた時を紡いだ意志に
解放を許すも禁ずも歌う者の感性次第
命を脱いで渡る途上
星の欠片は無に還り
永遠なる環へと還る
果て無き宇宙の始まりより繋がる環へ
死への恐れも全て抱いて経り廻る環へ
河の向こうは魂へと刻まれる旅への入口
無限の庭を吹き渡り 鳴り響く風の音が
帰還を祝す聖歌であれ
宇宙の科した罰であれ