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海底深く眠るもの



《海底深く眠るもの》




海の底深く 其処に眠っている気がした

星が生まれ 神が語られる以前より

磨耗した砂粒の一欠片にも宿る記憶

沈む塵は再び集い 硬い地層を築く



海の底深く 其処に眠っている気がした

航海へと駆り立てる熱を風を孕む帆に託し

辿り着いた探検家の齎したものが

延々と続く争いの引き金であったとしても



無垢なる赤子の頬に触れずに居られぬ様に

命の温もりと尊厳を求めて止まぬ様に

孤独なる席を立ち陽の下を歩き出す人よ

揺蕩う海の波音を その血潮の中に抱いて



広がる空の彼方迄 思想を馳せながら

凍てつく夜から身を守る火を煌々と焚き

無力を嘆き叫ぶだけの幼き時を経て

指先に触れた温度を確りと握り返して



海の底深く 其処に眠っている気がした

星が生まれ その先へと向かう今も

降り積もる生命の残骸と記憶を新たな礎に

また熱き血潮を抱いた星の子等は生まれる





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