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雨音の歌 光耀の調べ
《雨音の歌 光耀の調べ》
澄んだ瞳の映すものに
偽り無き調べを添えて
手折る薔薇の棘を抜き
祈る声達へ捧げる暗夜
硝子を伝う雫の嘆きに
秩序有る雨の厳粛な歌
囚われ哭く胸に沁みて
嘆く鼓動を慰撫する音
全てを信じられずとも
赦しは訪れ魂に触れる
憂う宵に力尽る腕にも
懐ける物の名を告げて
澄んだ瞳の映す世界に
光耀を喚ぶ音色を奏で
手折る過去の憐憫の花
散らす風に身を委ねて
光の爪弾く時の調べに
閉ざした手を開いたら
偽らぬ心の映す世界に
また柔かな雨音が降る