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バロック真珠と兎の眼
《バロック真珠と兎の眼》
絢爛たる黄金の宮殿に
虚飾を見据える兎の眼
物言わぬ虚ろな剥製を
不揃いの真珠で飾る指
生を奪われた脱け殻と
生を許されぬ深窓の花
歪なる輝きを身に纏い
お茶会と danceの日々
何もかもを手に入れた
偉大な王が果てる日迄
時計仕掛けの音楽隊は
緩慢なwaltzを 奏でる
紅い瞳が焦がれるは
広い空と緑濃き平原
薔薇色香る顏に
射す翳りと斜陽の窓辺
歪んだ真珠で飾りましょう
隠した思いの欠片の数だけ
銃声の乱舞に虚栄は滅び
辿り着いた英雄の前には
無垢のlaceに 身を包み
真珠を抱いて 散りし花