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Meister
《Meister》
歯車欠けて
絡繰り時計の出鱈目な行進
息継ぎだらけのfanfareに
疲労感を投げ合う民衆
雨降り緩む
泥地に脚を取られて往生
見知らぬ物を好奇で抉り
後の祭りが集う 無情の路傍
来る日は過ぎて
過ぎては迎える
黄金の鑼を鳴らせ
不様な兵隊の行進を嗤うのさ
罅割れた 歴史の証に敬愛を
修繕は迅速なるが賢明
不可能を可能に Meister
其でも駄目なら 潔く廃棄へ
針すら折れて
時を止めた世界
金獅子に跨がり
英雄よ駆けろよ
古い欠片を集めて繋ぐも
新たな物で代替えするも
我等が手の内に在るのさ
無気力な継続では無意味
能性なる強迫に縛られ
磔刑の憂き目を見る思考
一陣の風よ 吹き起これ
虚ろな工房に残した案に
白紙も塗り潰す勢いの気概を
出鱈目な行進も最骨頂
応急処置では 悪化の一途
文明とは 可能の創造の産物
再生の鑼を鳴らせ
尽きた力なら 流れ去るが良い
望まずとも 時は過ぎ行く
時計一つで廻り出す街にも
高らかなfanfareを
時代のMeister