54/100
生命の律動
《生命の律動》
尊厳 失われた道
打ち捨てられし地
忘れられた都は記憶する
完璧な石積みの一つ一つ
眠る遺骨のその一欠片に
神性を剥奪された太陽
樹海に潜み囀ずる声は
古の歌と同じだろうか
大空へ手を伸ばし踊るのは
太古の信仰と本能の律動を
その血も受け継いでいる証
尊厳 全ての象に宿るもの
陽と水と地表とを
その命の根源として
彼の地を去りし後も人は
その衝動に駆られる儘に
怒り 嘆き 笑い
躍り 歌い 手を伸ばし
それは遥か古より継がれた
生命の律動に刻まれたもの