51/100
The Wheel of Fortune
《The Wheel of Fortune》
運命の輪が 廻る
独り 二人 或いは大勢の手で
気紛れな女神は 幻想
それでも夢を 見るには必要?
新しい物と 古い物とを
積み重ねた 歪な塔で
墜ちる天啓 皇帝は笑う
愚かなる我等に 幸いを
流れる星に 沈黙の戦車
馬達も静かに 眠る夜
魔術師の欺く 大地の上で
吊るされた者は 慈悲を垂れる
嘲弄するは 憎悪より来る悪魔
厳格なる司祭は唯 憂うばかり
力を問い 集う賢者
聖杯を護る 女帝を前に平伏すも
思考は世界の 遥か深遠へ
死を待つのみの 我等に希望を
節制なる乙女は その瞳で
見定めた恋人に 審判を下す
運命の輪が また廻る
人の手により 星の風により
太陽と月の 巡りに
全てを識る 孤高の隠者
今日も正義の 名を騙る許に
女教皇は 聖杖を翳して
其は 運命の輪
世界を廻し 人を結び
時に剣と化し 時に金貨を零し
名も無き女神の 御気に召す儘
運命の輪は 廻る