銀の森に憩う月

縁―えにし

《縁―えにし》

水と雲の循環に

垣間見る虹の縁

陽と月の邂逅に

垣間見る金の空

奇蹟と呼ぶ群衆と

前兆と謳う老賢者

天地を結ぶ地平線

星を繋ぐ古の奇譚

白き花と黒の土

誇る者と懐く者

業(ゴウ)の応酬と報復

性(サガ)と赦しの悟り

必然と偶然の妙

生と死を結ぶ旅

謎解きの追い手と

愛多き真の語り手

全てを懐く宇宙と

全てを放棄した神

荒れ狂う嵐の夜と

穏やかに明ける朝

万能ならざる光

絶望をも拭う闇

勇ましくも哀しき英雄

脆くも強き意志持つ子

服す者と抗う者

憎悪の眼と慈悲の腕

其は片割れを求める様に

対の存在を喚び合う様に

水と雲との循環に

地に満ちる命の縁

世に満ちる理の縁