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転生の鳥籠
《転生の鳥籠》
流れ往く
血も 水も
全てを還し
地中深く懐かれて
我が身は星の一部となる
廻る魂
新たな命を授かる迄
束の間 宿す我が名は数多
全て魂の一部となりて
次なる我は何者か?
廻り巡り
涯は何処や?
問う神も数多
語る言語も数多
姿形は数知れず
彼方の記憶は忘れ去られ
生まれる度また一から問う
在り方と意義の相違
繰り返される愛憎劇
模倣世界と生贄の羊
精神論と虜囚の番犬
叫ばれるのは煽動の鎖に
繋がれた 怒りと 切望
悲壮なりや?
滑稽なりや?
気儘なるは宇宙の風
生命無き安らぎの闇
流れ往く
風も 時も
全てを還す
地表に立ち 呼ばれる名を抱き
許容されし時空を 渡るFool
光と業の 番の鳥が
か細くも啼く 籠の内を