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金色の陽
《金色の陽》
太陽の熱が 見せる夢
揺めきながら 瓦礫に零れ
儚い幻 小さな手を誘う
生命に降る 金色の陽
墜ちる鳥は唯 水を求め
オリーブの大地に 沈む
白の神殿には 太古の詞
陽炎に消えた 遥かな時
其処に救いは 探せずとも
旅立つ者へ 祝福を
新たな災禍を招こうと
人の生命を継ぐのは
人を絶やさぬ その血だけ
乾いた大地の 見せる夢
空は彼方の自由を 匂わせながら
光と熱を 注ぐのみ
旅立つ者には 祝福を
望む未来の 始まりを
残される者には 祈りを
唯 安らかなる 終焉を
晴れて見渡す 彼方まで
蜃気楼の喚び起こす 望む力
未来への 強い渇望
癒えた鳥は 飛び続け
金色の陽の 彼方に消える
見届け 地上を行く者は
太陽と 星を導に
歌い継がれた 詞を胸に
蜃気楼の見せる 理想郷を
その生命の力で 造り出さんと