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精霊の王
《精霊の王》
音も無く煌々と耀く
空の光が映る水面で
生まれた魂の赴くに任せ
どんな高みも越えて行く
全てを観てみたいからと
飛び出した幼い心の儘に
そして貴方を見付けるの
夜を統べる漆黒に抱かれ
昼を統べる黄金に愛され
廻り巡る貴方の世界
春の花乙女の手に口付け
夏の緑樹公に命を試され
秋の豊穣母に実を授かり
冬の智慧翁の助言に識る
巡り廻る麗しき世界
全てを観たその後で
貴方の決断を待つわ
貴方こそは我等が望み
全ての物に愛されし王