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第十二夜 元魔王、来るべき戦いに備えて軍を作る。




 「トリトンよ、この土地を使い立派な作物を育てろよ」

 「はい魔王様、任せてください」


 トリトンはそう言って、鍬を持ち村中の人達を集め農地へと向かった。

 よしよしいいぞ、おおむね作戦通りだな。


 「魔王様ー!やっと見つけました」

 「おうヤマトか、どした?」

 「どしたじゃないですよ、勝手に村を移動させたりして」

 「すまんな、まぁでも結果的に大成功だろ」

 「まぁそうですね、あとこっちも結構情報集めましたよ」

 「おお、さすがはヤマト仕事が早いな」

 「ありがとうございます、では得た情報共有しますね」

 「うむ」


 そう言ってヤマトは俺に村長から得た情報を話した。

 内容は、今の領主に代わってから地代が3倍近く値上がり、この村が前の領主から借りていた土地が没収された事と、その領主が同じ事を他の村でも行っており領内の人々が困窮にあえいでいることだった。

 ふむふむ、暮らしがキツいのはここだけではないのだな。

 つまり、この領内でまずやるべきことは領主を倒す事よりも領内にいる人々に、土地を返す事だ。

 そうすれば領民が土地を使えるようになり、村が以前の活気を取り戻し、土地を解放した英雄として俺を支持してくれるだろう。

 その支持があれば戦わずしてこの広大な領地が手に入るわけだ。

 まぁもしも従わない領民がいたら、服従の魔法使えばいいか……なるべく使わずにいきたいが。


 「よしありがとうヤマト、引き続き情報を集めてくれ」

 「かしこまりました、魔王様はどうするのですか?」

 「俺ちょっと行くとこがあるから、少しの間村を出る」

 「かしこまりました、お気をつけて」

 「うむ」


 俺はヤマトと別れ、塔の地下へと向かった。

 そうこの塔には地下がある。

 地下の現在の広さはトリトンの村と同じくらいの広がある。

 何故こんなに広げたのか、それはこの地下に軍隊を配備するためだ。


 「魔王様!」

 「おお、おやっさん!すまんなこんな遠くに呼びつけて」

 「いいんじゃよそんなの」


 俺はこの地下とゴブリンの国をスキル、ワームホールで繋げている。

 そのため現在、おやっさんを含めこの地下にはゴブリンが300体ほど武装して待機しているのだ。

 ただ、この戦力ではまだまだ領主の軍隊とは戦えない。

 もっと戦力がいる、なので現在も地下は広げており来るべき戦いに備えている。


 「あ、魔王様、どうもっす」

 「おおアスタロトか、久々だな」


 俺が地下でおっさんと戯れていると、つい先日に封印を解いた千年来の部下であるアスタロトに話しかけられた。

 アスタロトは千年前の俺の部下であり、レベルは666あり、当時の魔王軍が誇る10傑の1人である。

 

 「いやぁ、久々に起こされたと思ったら魔王様、また面白そうなこと始めてて、マジでテンション爆上げっすよ」

 「そうかそうか、お前が嬉しそうで何よりだよ」


 アスタロトは千年間封印されている間、違う世界に意識が飛んでいってしまっていたらしく、今もその世界で使っていた口調が抜けないらしい。

 一体、どこにいたんだろう。

 とりあえず、アスタロトもいるしこれからゴブリンも増えるし、戦力的には問題ないはずだ。

 あとは、領内の人々からの支持を集めないとな。

 


 


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