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第十夜 元魔王、村の統治をはじめる。



 「すまない、一つ訊いてもいいかな?」

 「はい大丈夫ですよ」

 「この村の人々は農民なのか?」


 俺は村人が農民であるか訊ねた。

 適正業務は農地開拓とあるが、そもそも農民の経験がなければ知識がないことになる。

 そうなるといくら適正があっても仕事を教える事ができない。

 1人、いや4、5人くらいは農民経験があると今後助かるのだが……。


 「はい、基本的には全員農民ですよ」


 なんて幸運なんだ全員だと!これは良い労働力率になる。

 なんなら村人全員を塔に連れて行ったっていいな。


 「なるほど農民ですか、素晴らしい、それで農地はどこなんですか?」

 「農地はありません、土地はすべて現領主に没収されてしまいまして」

 「それは酷いですね」


 土地がないのか、これは好都合だ。

 ていうか俺の塔の近くにこの人達の村ごと移転させてしまえば、かなり良い感じだな。

 てかこの感じだと俺の塔のある土地も領主のものなのか。

 まぁいいやなんか言われたら滅ぼせばいいし。


 「ええ、せめて土地があれば良いのですが……」

 「それなら私の土地はいかがでしょうか?」

 「え、土地をお持ちなんですか?」


 持っているか、まぁ本当は違うけどそういうことにしよう。

 

 「まぁ持っているというかなんというか、あるにはあります、使用料とかはいらないのでお貸ししますよ」

 「いいんですか!それはありがたいです、使用料はかからないのもありがたい」

 「使用量はいらないですが、取れた作物を少し頂けるとありがたいです」

 「それくらいお安い御用です、さっそく土地を見たいのですが」


 おー、さっそく土地を見たいか。

 やる気があって素晴らしいな。


 「ええ、いいですよ、なんならこの村ごと移動しましょうか」

 「む、村ごと!?」


 そうして俺はスキル、空間移動を使った。

 スキル空間移動は、移動させたい空間を切り取り、移動させたい場所にいどさせる事ができるスキルである。

 俺はこれを使い、村を塔の近くに移転させた。


 「な、なんだ今のは」

 「な、何が起きたんだ」


 この空間移動は一瞬で移動が完了する。

 俺の塔からここまでは大した距離はないため、景色は変わっていないが、異変を感じ取った村人が騒ぎ出した。

 さてと気せずして労働力を手に入れたし、こいつらを使って農地開拓していくか。

 ここの村人はだいたい300人くらいか、この人数を従わせるには魔法がいるな。

 仕方ない服従の魔法を使うか。

 

 「服従魔法発動、対象はここの村人達」

 『あ、あうぅ』


 村の至る所から"あうぅ"が聞こえる。

 服従魔法は成功したようだな。

 こうして俺はサクッと村の洗脳を成功させた。

 今回はかなり力技になってしまったな。

 まぁでもここを足掛かりにこの広大な領地を治めていきたいしな、ここは強引にでもやるしかなかった。

 えーっと、とりあえずこの目の前の男の名前を聞かないとな。


 「よし、村の移転は完了だ、あとその前にあなたの名前を聞いてもいいかな?」

 「はい、私の名前はトリトンです」

 「よろしくなトリトン、これからは君が村と俺との連絡役になってくれ」

 「はい、よろしくお願いします」


 トリトン、レベルは14か。

 まぁ一般人だしこんなもんだな。

 さてこれから忙しくなるぞ。


 


 


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