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後輩を慰めるかのように声をかけ、ぺらっぺらなプレゼンをしてみたが
「デウニスさあどうする?」
神・・・なんだろうけど今は女に振られた一人の男にしかみえないデウニスは腕組して悩んでいた。
「本当にお前がどうにかしてくれるのか?世界のこともヘレーナのことも!」
「おう!任せとけ!!」
「うわあああああ!心の友よー!!」
俺の返事にデウニスは感極まったのか泣きながら抱き着いてきた。
「よしよし・・・」
頭をポンポンとなでながら落ち着かせる。心の友ってジャイアンかよと心の中でツッコミを入れたのは内緒である。
「お前はいいやつだな・・・友よ・・・」
「デウニスは神様だからって一人で悩んでたんだろ?俺でよければ話聞くからな」
とにかく泣いてる神様を落ち着かせなければ
そして話を先に進めなければ!
ひとしきり泣いて落ち着いた神様は意を決したかのように俺に言った
「よし!お前を転生させる!」
「おお!」
「じゃが人間界に転生は無理じゃ!ヘレーナに怒られる!」
「え・・・じゃあどこに!?」
人間が無理?まてまて転生して虫でしたとかその時点でゲームオーバーなんだが
魔物とか虫でも転生して成り上がるっていう小説はあったけど俺には無理だ!
「お前の転生先は・・・」
ゴクリッ
「今ちょうど1つ席が空いている・・・魔界じゃ」
魔界・・・!魔界がある世界なのか!
「数日前に勇者によって魔王が倒されたから魔王の席が空いている!そこにお前を転生させるぞ!」
「魔王!!??」
まって勇者って言った?俺狩られる側なの?!
「生まれながらにして能力値としては申し分ない存在じゃ」
「そしてお前には『神の友』という加護をやろう!」
魔王で加護持ち・・・めっちゃハイスペックじゃないか!
「ヘレーナの世界ゆえ私が干渉することはほぼできないが・・・何かあれば私と連絡を取ることもできるぞ!」
デウニスはまくしたてるように俺に伝え、転生の儀に移った。
さあ俺の異世界ライフが始まるぞ・・・!