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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
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負傷

 河相宗が俺達を追いかけるのを諦め、隠見達に狙いを変えてもおかしくはない。二階にいるのなら危険度は増す。あの階段よりを少し行けば、西館に繋がる廊下があるのだから。


「そうだな。刑事達の方にはミミがいる。少しでも情報を渡しておいた方がいい」


 隠見とは【通話】したばかりだが、躊躇していると足元を(すく)われてしまう。何度目かのコールの後、【通話】が繋がった。すぐに取っていたはずなのだが、時間が掛かった事には理由があった。


「探偵さん……出るのが遅くなってごめん。刑事さんは今は回復中だから、少し待って欲しいんだよ」


 隠見のスマホに出たのは一緒にいたピエロだった。回復中というのは、隠見が怪我を負ったという事になるが……


「……一体何があったんだ? 誰かに襲われたのか?」


 回復出来るのなら、ひとまず安心というべきなのか。殺人鬼……という可能性は低いはず。河相宗が殺人鬼なら、タイミングが合わない。教師が河相宗を目撃して、俺達を追ってきたからだ。可能性があるのは鏡二人だが、無闇に攻撃したのであれば、隠見達よりも俺達を先に攻撃するはずだ。


「いや……それが僕にも全然。刑事さんはミミを庇った形なのか、喉を斬られたんですよ。けど、見た感じは誰もいなくて……」


 誰もいない……透明人間……喉だとすれば、下手すれば首狩り族? いや、殺人鬼が一体とは限らないのか?


「今は何処にいるんだ? 殺人鬼も動き出していて、奴は【指】、『捧げ物』の匂いを嗅ぎ付ける。セーフティゾーンか、『捧げ物』を使って、その部屋の中に隠れた方がいい」


 河相宗の動きが鈍くても、怪我を負った隠見とミミがいる状態では逃げ切る事は難しいかもしれない。身を隠す方が安全だ。


「それなら大丈夫だね。僕達がいるのは化学室だから。刑事さんが回復するまで待つよ」


 化学室は一階にある『捧げ物』で【指】を必要とする場所だ。だが、隠見達は『捧げ物』が必要な部屋よりも、暗野の死を確認するために西館のトイレを調べていたはずだ。


「それは悪くないんだが……何故、化学室なんだ? そこで刑事が怪我をしたのなら」


 教師の放送を聞いたのが一階であれば、隠れるために化学室を選んだ可能性もあるか。そこで罠が設置されていたとすれば……と、言葉にしようとしたが止めた。流石にピエロも罠からミミを庇ってと言うはずではないか?


「刑事さんが怪我をした場所は違いますよ。階段付近で、化学室に関しては、すでに『捧げ物』を与えたようだったからね」


 化学室はすでに開放されていた? それはミイラか翁が開けたのか。昨日の夜に翁はログインしていたのを、メイデンは【ボーダーライン】の通知から知っている。


 更に言えば、隠見達は昨日で西館を探索したはず。罠があったとすれば、昨日のうちに隠見達五人メンバーの誰かが嵌まっていてもおかしくなかった。という事は、それ以降に誰かが設置した。ピエロが誰も見なかったのは、罠が仕組まれていたからか?


「ピエロさん……【麻酔薬】も打ったので、代わります」


 隠見の声が電話越しに聴こえてきた。完全回復まではいかないが、【麻酔薬】で痛みを消したのか。

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