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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
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指二本

「はぁ……プレイヤー同士の殺し合いにならなくて少し安心したわ」


 ラビは恐竜が出ていった事で安堵の溜め息を吐いた。疑いの言葉を投げていたのはラビの方であり、戦闘になる可能性もあると思っていたんだろう。


「襲い掛かってきた場合、銃を撃つつもりでしたが、彼は冷静でしたね。廊下の窓を割ってた時はどうかと思ったけど、嘘をついてるようでもない。二階を調べ終えた後、PC室に行ってみましょうか」


 名無しも襲ってきたら戦闘を辞さないつもりだった。それで恐竜が死んだ場合、ラビや俺はそれを咎める事は出来ないが、情報を得る事は無理だっただろう。


「そうだな。俺達はさっきの教師……NPCを見つけた場合の対策も考えておくべきだな。重要だからこそ登場したと思う」


 俺達プレイヤー以外が【ボーダーライン】にログインする事は可能……いや、無理だと思う。だとすれば、NPCの存在と考えるべきだ。体験版での河相久内の件もある。殺しても問題ないという意味も分かる……だが、それは彼が現実で亡くなっていた場合だが……


「恐竜がさっきの奴にいきなり襲い掛かったなら、何も言えないわよね。他にもいるかもしれないけど、教師の方は助けてやったんだから何か言ってもらわないと」


「あれで恩を感じるような奴には見えなかった……逆に恐竜に復讐の手助けをして欲しいとか言ってきそうですけど」


 教師はそんな捨て台詞を投げていた。恐竜は殺人鬼以外にも警戒する相手が増えた事になる。


 俺達も教室から出て、二階の探索に戻る。四階、三階と夜見与那、鏡二人関連の何かが教室にあったのだが、二階にはそれらしきものがない。


「もしかして、あの教師が関連する? 苛めを見逃してとか、アイツも苛めに加担してたとか。それで情報を消したんじゃない?」


「そうなると恐竜が見つける前に奴を見つけないと駄目になるが……」


 恐竜も学校を探索する中で、夜見与那達の情報を何一つ手に入れていないのだろうか?


「『捧げ物』が必要な部屋ですね。刑事さん達から指を貰ったのを使いますか?」


 東館の二階、『捧げ物』が必要な部屋は【進路指導室】。それも【指】が一本でなく、二本必要。他が一本に対すると、重要だと思わせる。


「進路指導室か。『捧げ物』の部屋で情報があれば、恐竜の言葉が事実なのか判断出来るが……」


「が? 『捧げ物』をするのを止める発言もしてたわね。脱出ルート確保に必要な情報があるかもだから無理でしょ。刑事さんのサブ【MISSION】に関係するかもなのは、恐竜は知らないわけだし。多分、体育館のあれの事だと思うけど」


 拷問部屋の体育館にある生け贄のように飾られている胴体。『捧げ物』を出す事で復元されていく。【腕】を『捧げ物』にした恐竜は、体育館でそれを見たのかもしれない。


「っと……刑事から【通話】だ。会議室から出る時間か」


 タイミング良く、隠見から【通話】が掛かってきた。『捧げ物』に【指】を使わせてもらう事を言っておいた方がいいだろう。


「私です。こっちはピエロと合流したので、行き先は西館にしようと思います。そちらはどうなりましたか?」


「ピエロが来たのか。なら、VIP達のコメント通り、死んだのは記者か……」


「探偵も【チャット】で確認してんですね。こちらも待機時にVIP達に質問すると、答えは記者でした。その犯人は私達の名前が適当に並ぶだけで見当もつかない感じでしたけど」


「俺やラビの【チャット】は犯人の名前を避ける感じだったが、それぞれだな。本当の事を書いているのかも分からない」


 VIP達によるのもあるが、プレイヤーに対しても【チャット】のコメントの仕方は変わるのかもしれない。


「こっちは短時間ながらに色々とあってだな」


 俺は刑事に影人間、恐竜、NPCの登場を簡単に説明して、進路指導室を【指】二本で開く事を伝えた。

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