表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
8/98

参加資格

「河相宗が参加した【ボーダーライン】は終わったんじゃないのか?」


「新しい情報が入るかもしれないので、一度連絡を切ります」


 隠見は電話を切り、【ボーダーライン】からの新しいメッセージを開いた。


【ボーダーライン】

 ようこそ、隠見真琴様。貴女はSAW様からの指名により、次回のゲームに参加が決定しました。詳細は貴女のスマホに送信します。


「SAW様から私に!? 河相宗は死んだはずだし、私の名前も何処から」


 そのメッセージが嘘ではないと教えるように、隠見のスマホがメッセージの受信を知らせる音を発している。


「……本当に【ボーダーライン】からメッセージが来てます。イタズラなんて事はないですよね」


 河相宗のPCに届いたメッセージの内容通り、隠見のスマホに【ボーダーライン】からの参加資格と、簡単な詳細が書き込まれている。


 このメッセージは参加資格となっています。削除しても意味はありません。ただし、貴女が別の誰かに資格を譲渡する事は可能です。最後に【参加】もしくは【譲渡】のボタンを押してください。


【譲渡】した場合、期間は一週間。譲渡された人は、更に別の誰かに譲渡する事も可能です。ただし、期間が過ぎても参加者が出なければ、その繋がった人達全員に不幸な出来事が訪れる事になるでしょう。


 参加するメリット。ゲームをクリアした場合、貴女が望む願いが叶えられるでしょう。他者に知られたくないかもしれません。【ココ】をクリックすれば嘘ではないと判断出来るはずです。


 例を一つ。SAW様の願いは家族関係の修復。兄弟の立場逆転、もしくは両親の……と家族に対する願望でした。


 ゲーム内容はサバイバルミステリー、ホラーに該当します。現実で一ヶ月の間、生存する事が第一目標。ただし、生き残るだけではクリア達成にはなりません。場所、殺人鬼は回によって変更される事があります。


 現在の参加決定数 7/10 返答待ち3人。


 ログインは毎日してください。最低三時間のプレイは絶対です。勿論、時間を伸ばすのは一向に構いません。


 更に詳しく知りたいのであれば【参加】の程を。


 追伸 貴女方警察はこのゲームに参加しない限り、あの事件の真相には辿り着ける事はない。


「……真実(まこと)さんに譲渡してもいいですか?」


「はっ!! 何でだよ」


「冗談ですよ。危険な事は分かってるんですからね。一度頭をリセットしようと思っただけです。私の名前、スマホだけじゃなく、職業もバレてるとは考えてもいなかったから」


 確かに隠見が同様するのも分かる。何処まで情報を所持しているのか。隠見が持つ願いというのも間違っていなければ相当嫌な感じになるが……


「俺達がこの画面を見たのも原因の一つか? 事件に関わる刑事も、引き継ぐ前にいたわけだしな。一応、願いの部分を見てみるのどうだ?」


 事件の全容、今起きてる様々な怪奇案件の真相とは違うと思う。隠見が刑事だと知っていて、参加しないと真実に辿り着けない事を教えているからだ。


「そうですね。SAWが……河相宗が願った内容は本当だと思ってしまったから」


 河相宗の家庭環境を考えれば、そう願ったとしても、大抵の人間は納得してしまう。答えは死んだ本人しか……


「……待て。隠見のスマホに参加資格が送られてきたのなら、河相宗のスマホにはそれが無かったのか? それを調べたらSAWの願いと同一なのか」


「そのメッセージは消された事になるんでしょうか。あったのなら、【ボーダーゲーム】について最初から調べてましたよ」


「そ、そうだよな。それにしても【ボーダーゲーム】とは一体何だ? 参加方法は指名制、しかも相手は譲渡可能。参加が最後まで決まらない場合は不幸な出来事が」


【不幸の手紙】に似てる部分はあるのか? あれは受け取った場合、別の誰か数名に送らないと不幸になるという都市伝説だ。【譲渡】された誰か一人でも参加すれば回避される形だが、伝染していくのは一緒ではないだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ