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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
76/98

境界線

「……明らかに偽物じゃんか」


 メイデンが言う通り、PCに映し出されたのは【ボーダーライン】ではなく、【境界線】というゲーム。英語にすればボーダーラインにはなるが……別ゲームだとすぐに分かった。


「珍しいノベルゲームじゃないか」


【境界線】は物語を読んでいく……小説のような形のゲームになっている。VRゲームが全盛の今でも、昔のゲーム機は高価な額で取引されたり、PCで同人ゲーム作成等は今も続いている。これは喜多河の自作なのか、何処かで入手したのか?


「……少し調べてみよう」


 スタートをクリックすると、幾つかの章に分かれ、それを選んでから物語が進んでいくらしい。その中には【送り犬】【白髪鬼】【透明人間】【首狩り族】【悪魔の人形】が含まれている。


「【ボーダーライン】に関係あるだけじゃなく、最近の怪奇事件も含まれているのか」


 この【境界線】というゲームは何だ? 【送り犬】や【白髪鬼】は昔からある怪奇、伝承だ。【透明人間】も怪奇と呼ぶかは別として、知られている言葉。だが、【首狩り族】は違う。ここ最近出てきた怪奇事件だ。


 これが昔からあるゲームであれば、ネット等で取り上げられていてもおかしくないはずなのだが。


「へぇ~、この【境界線】ってゲームは、サークルメンバーが製作して、話はその都度更新していくみたい」


 メイデンはPCの近くにあったノートを開いていく。その数冊のノートは【境界線】製作の資料のようだ。


 俺は【送り犬】を選んでみた。主人公は探偵のようで、早送りをしながら進めていく。捜査途中で刑事も登場し、協力関係になる。まるで、俺と隠見みたいだ。選択肢もあり、物語は分岐する。結果、【送り犬】は人間の犯行……犯人は一つだけ犯行を認めなかった。これは【送り犬】が怪奇と言いたかったのか。


「ふ~ん……出来映え悪くないかも。【境界線】の主人公視点は二つあるみたい。探偵と犯人、話によって変わるようね。怪奇は人為的に作れるのか? を題材にしてるって書いてるけど」


 喜多河は【境界線】製作の順番になったのか? それとも【ボーダーライン】をするにあたり、共通点を見つけたのかもしれない。もしくは、この【境界線】が大元なのか?


「これが【ボーダーライン】で間違いないですか? 他に調べるところは?」


 西宮刑事は、俺が【境界線】をしている事で【ボーダーライン】であると思ったらしい。


「いえ……違います。共通する場面もあるのでは……と思い、このゲームのROMを借りてもいいですか?」


「いいですよ。大家も捨てるつもりなのは、喜多河の両親が物を取りに来ないのもありますから。一応、許可は取っておきます」


 西宮刑事は「何か分かったら、教えてください」と、許可を得るために署の連絡に、一旦部屋から出ていった。


「この続きは後にしよう。【ボーダーライン】は……あるな」


【境界線】をするのを止め、ホーム画面に移動。フォルダの中に【ボーダーライン】がある。クリックしても、データはすでに消されていた。自動的に消されるのか……誰かの仕業なら、わざとフォルダだけを残した事になる。


「メッセージの方はどうなわけ? 【招待】のメッセージとか、【譲渡】されたかもしれないし。死んだ場合も何か届くんじゃないの?」


 河相宗の場合、ゲーム内で死亡したからのもある。別のプレイヤー、十一人目のプレイヤーがいるのなら、何かしらあってもおかしくはない。隠見は河相宗から【招待】されたのだから。

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