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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
7/98

Borderline

「メッセージが届いてるな。日付は一番最初が一週間前か?」


 PCには複数のメッセージが届いてた。全てが【ボーダーライン】からになっている。


「……それは河相宗が事故にあった日ですよ。この【ボーダーライン】がそれなんじゃないですか? 確認してみましょう!!」


【ボーダーライン】

 VIP様達からSAW様へ300万Gの送金がありました。電子マネーに換金する場合は【Yes/no】のYesをクリックしてください。1G=1円です。


【ボーダーライン】

 SAW様の死亡が確認されました。所持金300万200Gは第2STAGEの抽選資金へ変換されます。御武運を申し上げます。


【ボーダーライン】

 今回のゲームは終了しました。クリア者0 生存者0 死亡10となります。次回開催は参加者10名が集まり次第となっております。ご指名があれば申し入れください。



「【ボーダーライン】というゲームで間違いないかもな。河相宗のアバター名がSAWなんだろう。この三つのメッセージで気になる事が沢山あるな」


 タイミングとしては河相宗が現実で死亡した後。このメッセージはどちらにも取れる。それよりも気になる情報が無数にある。


「一つ目のメッセージだとお金ですか? 彼が必要としていたのは現実のお金ではなく、【ボーダーライン】の世界でのG。死活問題もそうですけど、アピールする相手が誰なのかも想像がつきますしね」


 俺と隠見は同じ考えに至ったのだろう。VIPという複数人に何かしらのアピールをすれば大金が入る。しかも、ゲームの中だけではなく、現実の電子マネーに変換も可能であれば凄い事だ。それも河相宗の言葉を見る限り、変換するのは危険なのだろうが……


「河相宗は大金を入手するために【ボーダーライン】に参加したのか? この家を早く出るためにか? 違う気はするが……それとは別に送金されたタイミングと、抽選資金という謎の言葉だ」


 河相宗が一つ目のメッセージの日に死んでいるとすれば、ゲーム時にも亡くなっているはず。300万は河相宗の逃走資金として提供されたのか?


「第2STAGEという言葉もですね。これはゲームから現実にとも考えられるけど、受け取るはずだったお金は河相宗が変換してないですから。彼が所持していたスマホには電子マネーの残金は無かったし、財布の中も小銭程度ですね」


「抽選というのは外れるということもあるからな。ゲームという形もそうだが、お金を利用するあたり怪異より人為的な部分がある気もする」


「それを調べるのも零課の仕事ですからね。一番の問題は最後のメッセージと思いますよ」


 最後のメッセージは今回の【ボーダーライン】の終了。それと参加者が十名いた事を示している。それも全員死亡という形で。


「参加者十名が全員死んでる可能性があるかもです。本当に岩波楓が【ボーダーライン】に参加していたなら……すぐにメッセージを入れておかないと」


 隠見は上司にスマホから連絡を入れている。十名全員が現実に死亡してる可能性だけでなく、『今回の』という事は【ボーダーライン】は複数回行われている。そうなると被害は倍以上に膨れ上がる事になる。



「このゲームに参加する条件は何だ? 指名制だとしても当事者は死んでるんだぞ」


 【ボーダーライン】という言葉をネットで検索してみる。


 Borderline 境界線、どっちつかず


 日本語訳が表示されるのと、映画や書籍、ドラマ等の題名となった作品の情報が流れる。その中でゲームに関しては一切乗せられていない。


【ボーダーライン】が複数回開催されてるのならば噂など、書き込みが一つや二つあってもおかしくない。VIPというのが金を支払う部分もあるのだから動画の公開もあると踏んだのだが空振り。


「それがあったのなら警察も調べてるか……って、おい!!」


 PC画面を見直すと、【ボーダーライン】から最新のメッセージが届けられていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] Twitterのシンです!めちゃいいところですが、読ませて頂きました!笑 VRMMOとミステリー、ホラー要素もあって読んでてワクワクしました! 難しい世界観もこうやって書いたらいいんだなと…
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