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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
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恐竜

「アイツと鉢合わせする事はあるわね。隠れてるのは三人行動のためなの?」


 恐竜は全員が挨拶する前に出ていったプレイヤーだ。呼び名もないのだがら、必然的にマスクである恐竜になる。


 俺とラビは名無しが恐竜を警戒してるように、壁を利用して廊下を覗き見る。


 恐竜は俺達がいる方とは逆方向に歩いている。一番端まで行けば、階段を利用するか、こちらに方向転換するのだろう。


 ただ、彼が普通にしていれば、問題なかったが異常な部分が見えた。それが、名無しが警戒する理由だ。


「金属バットを持つのは警戒のためとは分かるけど……もう一つの方は……腕?」


 恐竜が手にしているのは金属バット。学校で手に入れたのか、【アイテム】から取り出したのかは別にいい。殺人鬼が出なくても警戒している証拠だ。


 もう片方では何の棒? と思ったが、ラビが言うように人の腕ではないだろうか。指がない事で分からなかったが、形はその物だ。


「体の全パーツがあり、それを恐竜が【腕】を見つけたんだろう。それを使える場所を探しているのか?」


 それにしても扱いが酷い。廊下の両側には窓があるのだが、恐竜は金属バットと腕で殴りながら進んでいる。


 外側の窓はビクともしないが、教室の窓は割れていく。腕は外側の窓に使用されているが、本物かのように所々が蒼くなっているような……


「私達に攻撃を仕掛けてくる勢いかもしれません。窓をバットで割った勢いで廊下側まで破片が散らばってます」


 途中まで窓は無事なのは、恐竜の気分次第での行動なのか。今は窓が割れる音が響き渡っている。


「流石に私達より先に出て、『捧げ物』があるのに気付かない程の馬鹿ではないわよね。あれを見ると……二階は止めて、四階にするか」


「彼から【腕】を奪う選択をするかと思いましたが……四階に行くんですね?」


「……流石にそれは止めておこう。彼とは協力関係にはなってないが、奪うまでは……な。ラビが言ったように、【腕】を使えないようにするまではしないだろう」


 恐竜はあんな行動を取っているが、暗野が言っていた殺人鬼のプレイヤーなのか? それを判断するには早すぎる。それにしても、名無しが『奪う』という選択を口にするとは予想外だったが……


「アンタも言うわね。あっちから仕掛けてきたら、返り討ちにするまでよ。刑事さん達に変な目で見られるのも面倒だしさ」


「……攻撃を仕掛けてきた場合、後から刑事には俺が話をするから安心しろ」


 ラビも少しは驚きはしたものの、笑ってる感じが名無しの事を気にいったのかもしれない。恐竜が攻撃を仕掛けてきたら、反撃するのは当然。自身を守るためなら仕方ない。


 ラビと名無しは四階へと上がっていく。俺は一番後方で【通話】を掛けた。


「その【通話】は刑事さんに? 恐竜は危険かもしれないから」


「違う……記者の方だ。奴は一人だからな。恐竜の件もあるが、『捧げ物』の件もある」


 VIPのコメントにも『記者には伝えなくていいのか』と書かれていた。暗野はログアウト時の連絡は不要と言っていたが、これに関しては問題ないだろう。


「まだ規定の半分の時間になったぐらいで、連絡してくるとはね。『捧げ物』に関しては何も見つかってないぞ」


 暗野も『捧げ物』が必要である事は認知しており、部位は何も見つかってないらしい。それにしても、一時間半も経過していたとは気付かなかった。

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